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こらぼでほすと アッシー1

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「ええ、年末年始は、こちらで過ごすように連絡してありますから、戻ってまいりますでしょう。」
 用件だけ話すと、オーナーも、お願いいたします、と、部屋から出て行く。ここには、ハイネの部屋も用意されているから、勝手知ったるなんとやらで、軽食を摂ると、そちらに移動する。その前に、親猫が使っている部屋は覗いた。ただ寝ているだけの状態だ。バイタルサインを確認する腕輪のようなものだけはつけられているが、それだけだ。
・・・・解る気はするんだけどな・・・・
 あまり変らない年齢の親猫の抱えている状況というのは、頭では理解できる。だが、実際、自分に置き換えるのは難しい。目の前に、以前の自分と同じように動いている人間を前にして、自分だけが動けない、なんて状況は考えるだけで、ブルーになる。



 翌日の『吉祥富貴』では、親猫のダウンが報告されていた。また、やったんかい、と、悟浄は呆れているが、当人にもわからないのでは、対処のしようもない。
「それでな、年少組に頼みがあるんだがな。」
 オーナーからの指示をハイネが代わりに伝える。シン、レイ、悟空、キラ、アスランあたりが対象だ。
「なんだ? ハイネ。」
 年少組とはいっても、アスランは、その対象にはなりづらいなあーと横目で見たら、あちらも笑っている。
「おまえは対象外かもしれない。」
「はあ? ちゃんと説明してくれ。」
「オーナーがおっしゃるには、子猫の代役を年少組に頼みたいんだそうだ。とりあえず、あのボケは、世話するのがあれば、しっかりしてるからさ。」
「て、それ、アスランは含まれないが、坊主は含まれるんじゃないのか? ハイネ。」
「俺の女房なんだから、俺の世話は当たり前だろうがっっ、エロカッパ。」
 三蔵は、そのつもりではないが、世話はさせている。家事能力万能な女房を貰ったという感覚だ。
「俺も、かなり甘えてるつもりだけどな。」
 もちろん、その連れ子の悟空も同様だ。至れり尽くせりの世話を受けている。
「サルは、そのまんま引き続き、それで頼む。シン、レイ、なるべく、ママの手を患わせろ。いいな? 」
「そういうんなら、俺らは助かるからいいよ。なあ、レイ。」
「ああ、俺も。」
「僕、一度、ママと同居してみたいな。うちに来てくれないかな? 」
「キラ、おまえと同居したら、別の意味でママニャンがダウンするからやめとけ。」
「ひどい、悟浄さん。」
 キラの天然電波は慣れないと堪える代物だ。さすがに、四六時中、それに晒されたら、誰でもダウンすると思われる。
「刹那君は? 」
「遅くとも年末には戻る予定だ。八戒、そっちは戻らなかったら、MS組で拉致るから問題ない。」
「さすがに、あのバレ方はまずかったからなあ。」
 アレルヤロストは、おいおいに伝えるつもりをしていたのに、いきなり王家の当主に爆弾発言をかまされてしまった。衝撃度合いからして、あれは強かっただろうと、虎も息を吐く。
「今のところは、完全ダウンだから、しばらくしたら、見舞いぐらいは行ってくれ。俺からは以上。」
「じゃあ、今夜のミーティングに移行しよう。本日のお客様は・・・・」
 ハイネからの報告が終わると、店のミーティングをアスランが始める。お客様の到着時間と指名なんかを知らせて、ヘルプや食事なんかの指示も出す。本日のお客様は五組。指名も決まっている常連客だ。今日は、たまたま混んでいるので、ホスト全員が揃って接客しなければならない。
「俺らも見舞いには行くぞ? 」
「あんた、弱ってるとこに付け込むのはやめてくれよ? 鷹さん。」
「そこまで鬼じゃない。まあ、愚痴くらいは聞いてくるさ。じじいーずの役目は、その辺りだろ? 」
 鷹も解っているから、そう言って、ハイネの肩を叩く。年が近いのには、やり辛いだろうと考えてくれているらしい。ラボの管理責任者は、一応、虎だが、だいたい、虎と鷹が交代で詰めている。
「俺たちのほうは、俺たちでやるから、おまえは、それとなく監視しておいてくれ、ハイネ。どうも、ママはせっかちでいかん。」
「まだ若いからなあ、ママは。」
 二十代中盤を越えたばかりの親猫は、まだ、さっさか動こうとするクセが抜けない。貧乏性に加えて、子猫たちにできることを考えてしまうから、そうなるのだろう。