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発展

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※声優×マネージャー4






「はぁ…」
「少しは落ち着いた?」

助手席のドアを開けて彼女を降ろすとキッと睨まれた。
だけど、潤んだ瞳と赤い顔で睨まれても全然怖くないんだなこれが。
ていうか寧ろ可愛い?

そんな俺の考えも知らずに彼女は怒る。

「っ、少しは加減というものを知りなさい!」
「えー俺が悪いのー?鼻で息しなかった君も悪いんじゃない?」
「わ、私はいいのよっ……まだ、慣れていないんだもの」
「慣れてないって…もう俺たち付き合って一年経つからね?今日がその記念日だからね?」
「う、うるさいっ、わかってるわよ!」



そう、今日は俺たちがめでたくして付き合うことに決まった日なのだ。
あれから一年が経った。日が経つのは早いというが本当のようだ。

去年のこの日から始まった今の関係、目を閉じればあの時のことが瞼に鮮明に思い出される。


『波江さん』
『マネージャーと呼びなさい』
『マネージャー』
『なんでしょう。折原さん』
『俺の一生のマネージャーになってください』
『…………そう、馬鹿なのね』


ギャグだ。今思えばアレは彼女へ交際の申し込みをしたのではなくて、単なるネタだったではなかったか。
それがいつの間にかこんな、恋人の位置にまで発展した自分たちの日常にうすら寒いものを覚える。

けれどそんな状況を満足している自分がいるのもまた事実。

「ふふふ」
「な、なに?貴方にいきなり笑われると気持ち悪いわ…」
「酷いなあ」

過去の自分もまさか、気持ち悪いと言われて喜ぶ自分は想像できなかっただろう。
うん。あのゲームのキャラクターはなかなか自分に合っているかもしれないな、と今更ながらに思う。

そしてもう一度だけ、軽く彼女に口付けると今度こそ車を発進させた。





【発展】



作品名:発展 作家名:煉@切れ痔