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罰が愛

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 ひとかけらの奇跡がなければ出会っても交わらない。
 罪には罰がつきものだから。
 二人分の贖罪ならば、いつかにはきっと。
 愛は愛のままになる。



「臨也さん?」
 呼ばれてハッと顔を上げる。
 帝人が仁王立ちで臨也を見ていた。
 放っておいたから怒っているのだろうか。
「なんで眼鏡してるんですか」
 ツンっとした帝人の物言いに臨也は笑って「やらしい?」と聞けば顔を真っ赤にされた。
 予想外の対応に臨也の方が焦ってしまう。
「うるさいですっ」
 肯定の言葉としか思えないが突っつくと拗ねることは確実なので臨也は手招きする。
 顔をそらしながら素直に臨也の元へ来てくれる帝人を思い切り引き寄せる。
「愛してるよ」
「当然です」
 帝人の顔が臨也に向く。
「足りない?」
「眼鏡かけないでください」
 赤面して臨也の肩口に顔を埋める帝人。
 愛しくて仕方がないと臨也は顔をゆるませる。
「どっちにしろ俺だろ」
「・・・・・・これはトラウマとか刷り込みとか」
「パブロフの犬?」
「うぅ、冗談じゃないですよ」
 膝に帝人の重みを感じる。 
 以前よりももちろん重いわけだがそれはそれで幸せだ。
「帝人君の身体の熱でも冷まそうか」
「冷めるはずないじゃないですか」
「殺し文句を返されるとは思わなかったよ」
「だって、もう・・・・・・仕方がないじゃないですか」
 帝人の吐息が首元にくすぐったい。
 臨也が髪を撫でてやればそれだけで甘い声を返してくれる。
 これ以上にない幸せだ。
 臨也は笑って帝人の服の中に手を入れる。
「ちょ、ちょっとぉ」
「ベッドがよかった? 繋がりながら移動もありだよね」
「いえ、あ、ぅ」
 臨也と視線が合うと反論の言葉が引っ込むようで口の中でごにょごにょしているものは外に出てこない。
(教育の成果ってやつ?)
 眼鏡の効果に驚きながら臨也は帝人の肌を味わうことにした。
「愛し尽くしてあげる」
「当然です」
 潤んだ瞳で帝人が臨也を見つめる。
 ひどく優しい気持ちで二人はお互いに向き合った。
 これからもずっと鼓動が重なりあう幸せをひたすら噛みしめ続けるのだ。



作品名:罰が愛 作家名:浬@