二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

こらぼでほすと アッシー4

INDEX|1ページ/4ページ|

次のページ
 
数日、ダラダラとナマケモノモードで暮らしていたが、やっぱり退屈してくるのが貧乏性というものだ。ラボの手伝いくらい、と、顔を出したら鷹に苦笑された。
「間男だけじゃ物足りないか? ママ。」
「いや、何か手伝えたら、と。」
「今のところはないんだ。退屈なら、お兄さんと遊ぶか? 」
 実際は、独立治安維持部隊の活動内容のチェックで大忙しなのだが、それは伏せてある。ロックオンの認証コードで入れる場所を限定させているから、そちらには入れない。そこには、イザークとディアッカが張り付いていて、現状の確認をしているし、ハイネも借り出されて、部隊が展開している場所へ偵察に出向いている。きな臭いどころではないことが判明したから、実際の活動をチェックするためだ。こういう仕事は、ハイネが専門だから、どうしても彼の担当になる。
「メシ食うとするか。」
「まだ、十時ですよ、鷹さん。邪魔なら帰ります。」
「まあ、そう言うなよ。」
 管制室のパネルを操作して、イザークたちの居る部屋で、こちらの管理もしてもらうようにシステムを切り替えた。全員がフル活動しては保たないから、適当に休みはとっている。
「散歩でもしようか? 」
「いいんですか? 」
「降下予定はないからいいよ。ほら、行こう。」
 さあさあ、と、ロックオンの背中を押して部屋を出る。庭を歩くぐらいなら、疲れることもないだろうと鷹は、表へと誘った。別荘の庭が、かなり広いから、適当に散策するには最適だ。
「寒くないか? 」
「はい。」
「具合はどうだ? 」
「随分、いいとは思うんですが、ドクターが、来ないので、なんとも。」
 あれから、ドクターは、こちらに顔を出していない。ハイネが、三日に一度くらい、ロックオンの血液を抜いて検査用に運んでいる程度で、クスリもいつものものしか貰っていないので、当人にはよくわからない。
「キレたらしいな? 珍しいんだぞ? うちのドクター、我侭な病人には慣れてる人だからな。久しぶりに聞いた。」
「俺も、後からハイネに説明されてわかりました。ものすごく叱られましたよ。」
「お兄さんが生意気なオレンジ君を叱っておいてやろう。あいつも、口が悪いのが、玉に瑕だ。」
 ホストをしている時は、ちゃんと甘いムードで女性をもてなしているが、スタッフだけだと、途端に口調が捌けてしまう。かなりキツイことをストレートに言うからだ。元特務機関のフェイス様は、常に上から視線でモノを言うクセがある。
「いや、ざっくばらんで分かりやすいからいいんじゃないですか? 」
「かなり堪えたクセに、そういうのがママの優しいとこだな? 」
「そうですか? 言われたことは事実だから受け止めるしかないでしょう。アレルヤのロストで、しばらくおかしくなってたみたいだし・・・・俺、あの時のこと、あんまり覚えてないんですよ。だから、客観的な説明をされて納得はできた。」
 少しずつ変って行く季節は、部屋のパネルで眺めていたつもりだが、記憶には、それしかない。たぶん、トダカたちが顔を出してくれていたはずなのに、その記憶はないのだ。
「そりゃ覚えてないだろう。しばらく、医療ポッドに入ってたし、出てからも安定剤でぼんやりしてたからな。俺が、キスしても無反応だったぞ? 」
「はあ? 」
「どのくらいで反応するのか試しに、ディープもやったけど、それでも反応しなかった。俺のテクは廃れたのかと心配になったほどだ。」
 後で、マリューとして廃れてないことは確認したんだけどな、と、やけにはきはきと鷹は言って笑っている。言われたほうは、たまったもんじゃないと憤慨した。
「ちょっ、ちょっと、鷹さん? 何やってくれてるんですか? あんたっっ。」
「癒してあげたいな、って思った親切な行為。」
「どこが? それ、紛れもなくセクハラでしょ? 」
「セクハラ? おいおい、せめて親切心の押し売りと言ってくれよ。」
「なお悪いっっ。」
 人の意識がない時に、何やってくれんだか・・・と、溜息をついたら、頭をぐりぐりと撫でられた。
「まあ、あそこから、ここまで戻ったのは安心したけどな。」
「・・・ええ・・・」
 ゆっくりと庭を歩いていると、すっかり冬景色に変りつつある。紅葉していた葉が、少しずつ枯れて落ちていく最中だ。少し風が吹けば、枯れそうな落ち葉が、はらはらと舞い落ちていく。それを眺めて立ち止まった。
「アレルヤのことは心配ない。ただ、長期ミッション遂行中で逢えないだけだ。そう思っていればいい。」
「ええ、わかってます。」
「紫の子猫ちゃんは、張り切って組織の再興をしている。そっちも問題ない。まあ、また降りてくるだろうから、その時は存分にリラックスさせてやってくれ。」
「はい。」
「せつニャンは、ただいま地球の裏側を探検中だ。年末には戻るからな。」
「はい。」
「それで、おまえさんは、子猫たちの帰れる場所として活動中なわけだ。年末はさ、店も忙しくなるから、それまでに体調を回復させておくように。」
「・・・俺は、もういいと思うんですが? 」
「いや、まだまだだろ? メシ食えないんだろ? 」
 別荘に軟禁されてからも流動食しか口にしていない。それすら食べたくない日もあって、そういう日は、ハイネが叱りつつ栄養剤を点滴している。初日の痛い思い出があるから、逃げようとするのだが、「俺は資格があるんだ。」 と、強引に押さえ込まれてやられているので、なるべく口にはするように、ロックオンも心がけてはいる。下手なのだ、本当に。何度も失敗するから腕が、危ないことをしている人のようになっている。
「えーっと、まあ、なんていうか・・・はい。」
「食いたいって気力が戻らないとな。」
「わかってるんですが・・・・空腹を感じないんですよ、鷹さん。」
「だから、それが、すでにおかしい。まあいいじゃないか、たまにナマケモノで、ダラダラするのも人生の楽しみの一部だ。そういう時間の潰し方も学べばいいんじゃないか? 」
「勿体無い気がしますけどね、俺は。」
「だから、贅沢なんじゃないか。勿体無い時間の使い方なんて、なかなか出来るもんじゃないだろ? 脱貧乏性というのは、どうだ?」
「それは難しそうだな。」
「おまえさんこそ、世界放浪の旅が必要なのかもしれないな? 」
「はははは・・・いいですねーそれ。」
「今のところは、ハンサムなお兄さんと行く別荘放浪の旅が、せいぜいだろうけどな。」
「違いない。」
 そんなダラダラとした話をしながら、半時間ほど、庭を散策して館に戻ったら、歌姫様が待っていた。居間で、優雅にティータイムを展開中だ。
「おかえりなさい、鷹さん、ママ。」
「ママの見舞いか? ラクス嬢ちゃん。」
「本日から十日ほど休みですの。それで、護衛の方たちも休んでいただくために、こちらで滞在します。」