秘めたシリウス
「まあ、そうだねィ。俺らも悔しいから結婚指輪でも買いに行くか。」
「やったアル。」
「ホントは虫避けのために送りたかったから、分かりやすいのがいい。」
「でも、分かりやすかったら兄貴と禿げ親父が黙ってないヨ。」
「なんでそんな楽観的にケラケラ笑ってんだよ。」
「きっと総悟なら大丈夫ヨーー。」
さっきまで沈んでいた気分が嘘みたいに晴れていく。今なら空も飛べる気がする。そんなこと総悟に言ってやらないのは、今までの腹いせだ。
「それではお店にでも行きますかお姫様。」
差し出された手を取る。
焼き焦がれた気持ちが光り輝くまで後30分。