二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

想いよ、届け 刺繍組編

INDEX|4ページ/4ページ|

前のページ
 
その時、イギリスの携帯電話がメロディを奏で始めた。

着信メロディはリヒテンシュタイン公国『若きライン川上流に』。
でも、英国国歌『ゴッド・セーブ・ザ・クィーン』とメロディが全く同じである為、イギリス本人もいまだに区別がつかないらしい。自分で設定したくせに…。

イギリスはすぐさま、メールを開き、本文を読んだ。

―あ〜、見てられないですよ。
  ムカつくので、写真を撮ってやるですよ!
シーランドは普段絶対に見せる事のないイギリスの笑顔(恐らく最上級の)を携帯のカメラで撮影し、そのまま誰かに添付メールで送信した。

「シーラーンードー!!テメぇ、何撮ってんだよ!!
そして、そのメール、誰に送ったんだよ!!」
シーランドが不穏な気配を察知して、顔を上げると、そこには極悪モードに入ったイギリスが、シーランドの携帯を狙っていた。

「やーです。絶対にやですよ!!」
シーランドは必死になって、イギリスから逃げた。

「コラッ、待ちやがれ!!」
イギリスはシーランドを捕まえようと追いかけた。

この日一日、イギリス宅ではシーランドとイギリスの壮絶な鬼ごっこが繰り広げられ、屋敷の使用人たちはほのぼのと見守っているだけだった。


イギリスにお礼のメール(英文)を送ってから暫くして、リヒテンの携帯に一通のメールが届いた。

送り主はシーランド。

メールには添付ファイルが付いており、それを開くと優しく愛おしむような笑顔を浮かべたイギリスの画像が映し出された。

―あの御方もこのような顔をしてくださるのですね。
リヒテンはクスッと笑い、嬉しい気分で送られてきた画像をデータフォルダに保存した。


後日、イギリス宅にて珍騒動が起こった。

「貴様か!我輩の可愛い妹、リヒテンシュタインにバレンタインのプレゼントを贈ったのは!!」

完全武装したスイスがイギリス宅に乗り込んできて、イギリスは危うくセダーンされかけたらしい。

どうやら、シーランドの薔薇をラッピングしたフランスが、イギリスがリヒテンにプレゼントを贈った事をドイツに話し、そのドイツが仕事の会談の合間でスイスにポロッと話したのが原因らしい。

(終わり)
作品名:想いよ、届け 刺繍組編 作家名:桜飴♪