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こらぼでほすと アッシー9

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大晦日にトダカーズラブの面々が、朝から寺へ顔を出した。寺での掃除の手伝いだ。もちろん、トダカも一緒だ。居間に顔を出すと、こちらには、三蔵とと悟浄が、朝の一服の最中で、他は誰も居ない。
「おや? うちの子は? 」
「あんたの娘なら、朝からダウンしてる。明日は雨だな。」
 天候が変る前日あたりから、ロックオンは具合が悪くなる。つまり、元旦は雨だということだ。百パーセント確実な天気予報なので、ある意味、重宝されていたりする。
「雨か。ということは、下手をすると雪だな。本堂のほうの手順は、どうする? 」
「上から順番に埃を払って、最後に床掃除だ。ちょっと待ってくれ、天井担当のサルが買出しに出てるから、あいつが戻らないと始められない。」
 如意棒で、天井の埃を払ってもらわないと、後ができないから、三蔵と悟浄も待っている。そういうことなら、庭あたりから始めようか、と、トダカは、外へ声をかけに出ようとしたが、アマギが、それなら、自分が、と、行ってくれた。そうなると、気になる娘のほうへ顔を出す。いつも脇部屋に居るので、勝手知ったるなんとやらで、そちらへ出向いたら、布団の横に、ちょこんと黒子猫が座っている。
「刹那君、ロックオンは? 」
「寝てる。」
「それなら寝かしておいて、きみも手伝ってくれないか? 庭の掃除から始めるんだ。」
「了解した。」
 ちょっと親猫の顔を見て、黒子猫も部屋を出る。気圧変化が激しいと、こうなるのは、いつものことなので、これについては、黒子猫も心配しない。
「ここの掃除が終わったら、一緒にうちへ帰って、年越しするからね。」
「ああ。」
「きみは雪を見たことはあるかな? 」
「雪? 」
「そう、雨が冷やされて氷の粒になって降ってくるんだ。とても綺麗だよ。」
「高い山の上にあるやつしか見たことがない。」
「今夜から降るなら雪になるよ。楽しみにしてなさい。」
 トダカと刹那も、境内へ出て、草むしりあたりから始める。それほど大きな寺ではないが、五人ばかりの男たちが、方々に散らばってしまうと、お互いの距離はかなりあるぐらいの広さはある。確かに、雲の流れが早いし、温度も低い。早めに終わらせたほうがいいだろうと、アマギと相談する。
 それは三蔵も考えていたのか、回廊の掃除を始めている。家と寺を繋いでいる回廊を掃いて拭くだけでも、結構な労働だ。悟浄のほうは、本堂から、掃除の邪魔になりそうなものを、本堂の前の廊下に出している。ガタガタと音がしているから、目が覚めたらしいロックオンが、脇部屋からふらふらと這い出してきた。見るからにダルそうな状態だ。
「お、生きてるか? ママニャン。」
「生きてますよー悟浄さん。・・あ・・・トダカさんたちも来たんですか? うわぁー昼飯どうしようかな。」
 八戒と悟空が年末の買出しに出ているが、それは、できあがるのが今夜あたりになる。昼は何か買ってきます、と、言っていたが、この人数のことは聞いていないだろう。
「さっき、電話しといたから、なんか調達してくるはずだ。そっちはいいから、部屋に入ってろよ、ママニャン。」
 悟浄が、そちらの手配はした。トダカーズラブの面々が手伝いに来ることは聞いていたから、もし、午前中にやってきたら、連絡してくれ、と、女房から命じられていたからだ。
「そりゃ助かった。なんか手伝いますよ。」
「いや、おまえ、それは無理だろ? 」
 寒いから部屋に入れ、と、悟浄が叱っていたら、どすどすと音がして、三蔵が本堂に上がってきた。ジャキッという音と共に、懐からマグナムが現れる。狙っているのは、女房の眉間だ。
「寝てろ。」
「・・・あーはい・・」
 注意するぐらいで、飛び道具を出すのも、どーよ? と、悟浄はツッコミはする。するが、まあ、そういう人となりなので驚かない。何度もやられている女房のほうも、すごすごと部屋に戻って障子を閉めた。これが日常なんだから、かなり異常だ。
「けど、本堂の片付けしてると寝れないんじゃないか? 三蔵。」
「サルが戻ったら客間に移動させる。」
 怪力のサルなら、ロックオンくらい軽く運べる。というか、三蔵や悟浄だって運べるのだが、こういうのはサルの担当と決まっている。


 しばらくして、買出し部隊が戻ったので、本格的に本堂の掃除は始まった。天井の埃を払ってしまえば、そこからは、全員で上から順番に拭き掃除ということになる。安置されている仏像や、その付属品もあるから、結構、手間がかかる。一端、食事休憩をして、おやつの時間までに、どうにか終わった。
「トダカさんのところは、これからですか? 」
「昨日、終わったよ。さて、うちの子を回収して帰るとするか。」
 台所で、これから数日間の食料を作っている八戒の横で、トダカは伸びをして、お疲れ様、と、居間のほうへ声をかける。悟空を、こちらに呼んで、お年玉を渡すためだ。
「ちょっと早いけど。来年もよろしく。」
「ありがとートダカさん。うちのママ、いつ返してくれんの? 」
 もし、起きられないなら迎えに行くから、と、悟空は尋ねる。冬休みの間に戻ってきて欲しいと思っているらしい。
「五日ぐらいまでは、うちにいさせてもいいかい? きみも遊びに来ればいいよ。」
 うちのものは、四日から出勤だから、それからは静かだからね、と、トダカは返事する。悟空も、別に家で燻ってばかりではない。二日は、年少組でつるんで初詣だし、三日辺りになると、沙・猪家夫夫が顔を出す。まあ五日なら妥当な線だ。
「じゃあ、五日に迎えに行くよ。」
「どうせなら、四日から来て、うちに泊まればどうだい? 」
「あーダメなんだ。うちさ、たぶん、三日から徹夜マージャン大会だから、四日は無理だ。」
「そうなんですよ、トダカさん。毎年恒例なんです。」
 暇つぶしも兼ねた遊びなので、お金はかけないが、延々とやっているので、四日ぐらいだと、全員、沈没している、と、八戒が説明して笑い出した。四日の午後遅くまで屍状態で、こたつで転がっているのを思い出したからだ。




 トダカ家ご一行様が引き取ると、完全に年末モードだ。だらだらと、八戒以外は、こたつで寝転んで、くだらない年末の番組を鑑賞している。そこへ、キラとアスランが現れた。
「あれ? 刹那は? 」
「トダカさんち。」
「ほーら、アスラン。やっぱり帰っちゃったよ。」
 たぶん、あちらじゃないの? と、キラは出かける前から言っていたのに、アスランは、まだ居るだろうと寺へ来たのだ。
「早いな、トダカさん。」
「ちびニャンに用事か? アスラン。」
「ええ、トリィのメンテナンスができたので渡しておこうと思ったんです。」
 バタバタと年末まで忙しくて、なかなかメンテナンスが終わらなかった。年越しするのもイヤだから、と、アスランは渡しに来た。キラたちも、すでに新年の準備は終わっていて、その用事が終われば、いちゃこらと年越しする予定だ。
「悟空、暇? 」
「暇っちゃー暇だけど、何? 」
「これから一緒にトダカさんとこへ行かない? 」
「キラくん、それは、あちらに迷惑ですよ。」
「キラ、渡したら、すぐに帰るからね。刹那とも遊べないよ。」