こらぼでほすと アッシー10
刹那の衣服の洗濯が終わったので、マンションに戻しに行くことにした。どうせ、何ヶ月か後だから、今度は季節が変わってしまうので、また新しいのを用意することになる。刹那は成長期だから、昨年の衣服では小さくなっているだろう。そう思うと、用意するのも楽しい。
「おい、ママニャン。アッシーしてやるから、ちょっと待て。」
まだ、パジャマに半纏なんて格好のハイネが、コーヒーを飲み干して立ち上がる。ラボに行くつもりだったから、ついでだ、と、着替えに走る。まだまだ、外は真冬だ。あまり長時間の外出は、ロックオンの体調にまずいので、こういうことになっている。
それなら、片付けてから行くか、と、食べ終えられた食器を台所へ運んで洗ってしまうことにした。
脇部屋で着替えつつ、トダカに連絡をして、ハイネは何食わぬ顔で、居間に戻った。マンションまで送って、自分はラボへ出向くから、頃合を見計らって、トダカに回収してもらう段取りをした。トダカ家まで、マンションからだとクルマで十分ほどかかるので、徒歩なんぞで移動されたらマズイからだ。トダカのほうも、了解してくれた。
刹那はアイルランド及び周辺諸国の探検に出かけたが、今回は二ヶ月ばかりで戻って来る予定だ。あちらには、まだ、独立治安維持部隊はいないので、それほど荒れていないはずだから、本当に観光が主目的だ。いや、それよりも、ロックオンの身内の面通しが一番だろう。資料は、ざっとハイネも確認したし、現在、暮らしている場所を調べたのもハイネだ。
・・・まあ、あれ、二人が並ぶと、わかんねぇーだろうな・・・・
というくらいに似通った相手だが、雰囲気は、まったく違う。写真で見る限りでも、わかるくらいだから、刹那なら一発で見破るだろう。どういう感想を携えてくるだろうか、ハイネにも予想はつかない。是か否か、どちらとも取れるからだ。
作品名:こらぼでほすと アッシー10 作家名:篠義