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こらぼでほすと アッシー12

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・・・・結論は、まだ先でいい。これから、俺が旅する先に候補はいるかもしれない・・・・

 だから、今回は、顔だけ拝んだ。何も話していない。一方的に声はかけられたが、それだけだ。
 ほぼ三週間ばかり、その動向は探ってみたが、彼は、平日は、普通のサラリーマンとして暮らしているらしく、毎日、同じ時間に出かけ、夜はバラバラな時間に戻って来る。これといって変ったことはない。所属している組織との接触も確認できない。エージェントだから、指示がなければ何もないのだろう。 
 彼が住んでいるアパートを見上げて、できるだけ彼は候補から外したい、と、考えた。能力的な部分では、未知数が高いというのが、表向きの理由になるし、ティエリアたちには報告していないから、刹那が報告しなければ、彼を担ぎ出す必要もないからだ。
 もし、彼しか見つからなかったら、今度こそ、守り抜くとは決めている。先へ進むための供物にするつもりなんてない。あんな空虚な気持ちにもなりたくない。探すことは諦めない。デュナメスの後継機を任せられる相手。つまり、自分の背中を預けられる相手は、なかなか難しいとは思っている。
「生きてることは告げなくていい。俺は、あいつとの縁は切ってあるから、あいつには関係の無いことだ。・・・・背中を預けられると思ったら、引っ張って来い。どうにかしてやるから。」
 親猫は、そう言ったので、相手に何も個人的なことは話していない。預けられるのか? と、問われたら、どうだろう? とは返すだろう。現時点で、刹那には彼のことは判断材料が少なすぎて、決められるものではなかった。
 どうせ、何度か来ることにはなるだろう。焦ることもないか、と、刹那も、アパートの前の道を引き返す。親猫が来られないのだから、ディランディーさんちの子供である刹那が、墓参りに来なくてはならない。
 本来の時期を聞き出して、その時期は、こちらに出向くようにしようと思う。世界は広いので、全部を廻るのは骨が折れるが、ここだけは、来なければならない。

 携帯端末に着信したメールは、キラからで、「戻って来い。」 という指示だった。二年前、その頃、親猫は一度死んでしまった。とっても厭な気分になる。だが、生きているので、生きていることは嬉しい。キラからのメールには、さらに、土産を買って来いとあった。

・・・・土産じゃなくて、贈り物じゃないのか?・・・・

 刹那だって、それぐいらのことは知っている。組織に入ってから、親猫が、その日に、みんなにプレゼントを貰っていたからだ。刹那は、何もしなかったが、アレルヤたちに促されて言葉だけは贈った。
「刹那が、俺に? ありがとな。」
 とても嬉しそうに、親猫は微笑んだ。そして、一ヵ月後に、刹那にも贈ってくれた。少しずつ繋がっていった絆は、そうやって出来てきたものだ。失くすつもりは毛頭ない。自分から断ち切るつもりもない。

・・・だが、何を土産にすればいいんだ?・・・・

 贈り物なんてしたことがないから、刹那には、何がいいのかわからなくて苦笑した。貰ったことはある。もちろん、親猫からだ。最初は、服だった。次は、靴。それから、言葉。昨年も言葉。
 さて、どうしたものだ? こういう時の相談相手になりそうなアレルヤがいなくて、こういう時も不便だ。メールで、キラに、何か推奨しろ、と、送ったら、「アイルランドのもの。」 という返事だ。天然電波にマトモな意見を求めてはいけない。次に、悟空に送ったら、「そっちのお菓子とかでいいんじゃね?」という解りやすい解答が届いた。
 それぐらいなら、明日、どうにかなる、と、刹那は、翌日、大きな百貨店へ出向いて、それらしいものを買った。それらしいというのは、百貨店の客たちが、たくさん手にしていた商品だったからだ。