涙
「円堂くんが居ないの・・・」
(アイツが一番怪我してるはずなのに・・・・。)
俺はまだ少し痛む足を無視して立ち上がったそして
「円堂探してくる!!」と木野さんに告げて走り出した_______________
円堂の行きそうな所なら大体見当がつく
そうアイツは____________________
バタンッッ屋上の大きな扉を開けた
そして、屋上に出て辺りを見渡す
その時、隅っこのほうで小さくなっている円堂を見つけた
「円堂・・・?」
俺は駆け寄ろうとしたが足をとめた、
円堂の肩が小さく震えていたからだ
(もしかして・・・泣いてる・・・?)
俺の胸は不思議と高まった
俺は気づかれないようにゆっくり近づいていくその時だった俺は円堂の異変に気付いた。
いつものバンダナが頭に着いていなかった、
不思議に思って円堂の顔を覗き込むとバンダナは目元に着いていた・・・
不審に思って「円堂・・・?」と声をかけると円堂はバッと顔を上げた
俺はそのとき見逃がさなかったバンダナに小さなシミができているのを・・・。
「かぜ・・・まるっ・・・?」嗚咽交じりで俺の名前を呼ぶ円堂、
でもすぐに「来るなッッ!!」と怒鳴った
俺はギョッとして1歩引いたでも
「今・・・はくッ来るな・・・っ!」
と なんとも弱々しい円堂の声を聞いた瞬間
強引に円堂の手を引っ張った
「やっやめろ!!見るな!」
円堂は必死で抵抗したが俺が握ったところを丁度捻っていたらしく
口元をしかめて少し大人しくなった
その隙に俺はバンダナをサッと外した
その瞬間大量の涙で潤んだ円堂の目と俺の目があった_____________________
「えんどッッ?!」
俺は生まれて初めて見る円堂の“涙”に言葉を失った
「かぜまッッ_____________」
俺は円堂をきつく抱きよせたそして続けた
「大丈夫・・・俺の前では泣いていいから・・・
弱いとこ見せていいんだ・・・大丈夫・・・心配すんな・・・。」
すると、円堂が抱きしめ返してきたかと思うと
「かぜ・・・・かぜま・・・る うっひっひぐ・・・・」
俺の胸の中で涙をこらえるのをやめた。
「俺・・・キャプテンなのに・・・みんなが傷ついて行くのを黙って見てるしか・・・
できなかった・・・守れなかった・・・キャプテン失「そんなことない!!」」
円堂は驚いたように俺を見上げたでも、俺は気にせず続けた
「お前は俺にサッカーを教えてくれたそれに,お前はいつもみんなの背中を押してきた・・・それに・・・。」
俺は一息置いてから言った
「それに・・・。どんなお前だって俺の大切な大切な人だ!!!」
円堂はしばらくポカンとしていたけどすぐに
涙なんてどこかに行ってしまったように、いつもの明るい笑顔に戻って
「風丸だいすきだーー!!」と言って抱きついてきた
そして、いつものように可愛らしいリップ音と共に俺にキスを落とした
でも、そのキスはいつもと違って涙の味がした気がした___________
______END _______