東方無風伝 2
数え切れない大量の弾は、萃香の周りを渦巻き始めたと思えば、渦は広がって行き、いざ魔理沙を呑みこまんとする。序でに俺も。
「待て待て待て待て!」
そんな悲鳴は意味を持たず、無情にも弾幕は襲い掛かってくる。
先ずは左右の動きを封じる壁を避けたと思えば、大きめの白い弾幕が飛んでくる。
ぎりぎり、服が掠る様な距離で避けるもの、第二波が飛んでくる。
避けれるとは思えない弾幕だ。左右の逃げ場は封じられ、その上で目の前から弾幕が飛来してくる。
「くそっ」
悪態を吐き、頭を守るように両腕を眼の前で交差させる。
避けれないと判断したからこその、防御の体勢だ。
目を瞑り、衝撃に備える。それとほぼ同時に、どんどんどん!と連続した爆発音が響く。
不思議と俺自身に覚悟していた衝撃は無い。
一体何故?防御を解(ほど)き、顔を上げればまたも不思議な光景が。
俺の目の前にうっすらと浮かぶ壁が出来ており、その壁が俺を弾幕から守っていてくれたのだ。
「良かった、間に合ったみたいね」
背後から声が聞こえ、振り向けばお札を持った霊夢が其処にいた。
「この……障壁は霊夢が?」
「簡単な結界よ。ただ、即席で作ったものだから弱っちいわよ」
ほら、と霊夢が指差すのは、俺を守っていた障壁。俺と霊夢が話している間も弾幕を浴び続けてきたせいか、罅(ひび)が入ってきている。
「まずくないか?」
「大丈夫よ」
じり、と後退(あとずさ)りする俺を尻目に霊夢は一歩前へ踏み出し構える。
「えいと気の抜けた声とともに手に持つ札を投げれば、札はぴたりと宙で静止し、一枚の障壁を築きあげる。
それと同時に、罅割れた結界は倒頭限界を迎えたのか、硝子のように砕け散る。
邪魔するモノが消え去り、当然弾幕は此方(こちら)に向かい飛んでくるが、新たに霊夢が作り出した障壁に阻まれる。
「しかしまぁ……」
「ん?」
「目の前だ大量の弾幕が、弾けて消えるという光景も面白いな」
「あら、大分余裕が出来たみたいね」
「まぁ、ここは安全圏のようだ
しな」
とまぁ今は余裕たっぷりだが、何れは俺も弾幕ごっこに関わることになるのであろうと思えば、嫌になってくる。
俺は霊夢のように落ち着いて障壁を張ることなんて出来ないし、だからと言って避けるなんてことは出来ない。
……この世界で生きていく自信が無くなってきたぜ。
「待て待て待て待て!」
そんな悲鳴は意味を持たず、無情にも弾幕は襲い掛かってくる。
先ずは左右の動きを封じる壁を避けたと思えば、大きめの白い弾幕が飛んでくる。
ぎりぎり、服が掠る様な距離で避けるもの、第二波が飛んでくる。
避けれるとは思えない弾幕だ。左右の逃げ場は封じられ、その上で目の前から弾幕が飛来してくる。
「くそっ」
悪態を吐き、頭を守るように両腕を眼の前で交差させる。
避けれないと判断したからこその、防御の体勢だ。
目を瞑り、衝撃に備える。それとほぼ同時に、どんどんどん!と連続した爆発音が響く。
不思議と俺自身に覚悟していた衝撃は無い。
一体何故?防御を解(ほど)き、顔を上げればまたも不思議な光景が。
俺の目の前にうっすらと浮かぶ壁が出来ており、その壁が俺を弾幕から守っていてくれたのだ。
「良かった、間に合ったみたいね」
背後から声が聞こえ、振り向けばお札を持った霊夢が其処にいた。
「この……障壁は霊夢が?」
「簡単な結界よ。ただ、即席で作ったものだから弱っちいわよ」
ほら、と霊夢が指差すのは、俺を守っていた障壁。俺と霊夢が話している間も弾幕を浴び続けてきたせいか、罅(ひび)が入ってきている。
「まずくないか?」
「大丈夫よ」
じり、と後退(あとずさ)りする俺を尻目に霊夢は一歩前へ踏み出し構える。
「えいと気の抜けた声とともに手に持つ札を投げれば、札はぴたりと宙で静止し、一枚の障壁を築きあげる。
それと同時に、罅割れた結界は倒頭限界を迎えたのか、硝子のように砕け散る。
邪魔するモノが消え去り、当然弾幕は此方(こちら)に向かい飛んでくるが、新たに霊夢が作り出した障壁に阻まれる。
「しかしまぁ……」
「ん?」
「目の前だ大量の弾幕が、弾けて消えるという光景も面白いな」
「あら、大分余裕が出来たみたいね」
「まぁ、ここは安全圏のようだ
しな」
とまぁ今は余裕たっぷりだが、何れは俺も弾幕ごっこに関わることになるのであろうと思えば、嫌になってくる。
俺は霊夢のように落ち着いて障壁を張ることなんて出来ないし、だからと言って避けるなんてことは出来ない。
……この世界で生きていく自信が無くなってきたぜ。