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国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
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東方無風伝 2

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数え切れない大量の弾は、萃香の周りを渦巻き始めたと思えば、渦は広がって行き、いざ魔理沙を呑みこまんとする。序でに俺も。

「待て待て待て待て!」

 そんな悲鳴は意味を持たず、無情にも弾幕は襲い掛かってくる。
 先ずは左右の動きを封じる壁を避けたと思えば、大きめの白い弾幕が飛んでくる。
 ぎりぎり、服が掠る様な距離で避けるもの、第二波が飛んでくる。
 避けれるとは思えない弾幕だ。左右の逃げ場は封じられ、その上で目の前から弾幕が飛来してくる。

「くそっ」

 悪態を吐き、頭を守るように両腕を眼の前で交差させる。
 避けれないと判断したからこその、防御の体勢だ。
 目を瞑り、衝撃に備える。それとほぼ同時に、どんどんどん!と連続した爆発音が響く。
 不思議と俺自身に覚悟していた衝撃は無い。
 一体何故?防御を解(ほど)き、顔を上げればまたも不思議な光景が。
 俺の目の前にうっすらと浮かぶ壁が出来ており、その壁が俺を弾幕から守っていてくれたのだ。

「良かった、間に合ったみたいね」

 背後から声が聞こえ、振り向けばお札を持った霊夢が其処にいた。

「この……障壁は霊夢が?」

「簡単な結界よ。ただ、即席で作ったものだから弱っちいわよ」

 ほら、と霊夢が指差すのは、俺を守っていた障壁。俺と霊夢が話している間も弾幕を浴び続けてきたせいか、罅(ひび)が入ってきている。

「まずくないか?」

「大丈夫よ」

 じり、と後退(あとずさ)りする俺を尻目に霊夢は一歩前へ踏み出し構える。
「えいと気の抜けた声とともに手に持つ札を投げれば、札はぴたりと宙で静止し、一枚の障壁を築きあげる。
 それと同時に、罅割れた結界は倒頭限界を迎えたのか、硝子のように砕け散る。
 邪魔するモノが消え去り、当然弾幕は此方(こちら)に向かい飛んでくるが、新たに霊夢が作り出した障壁に阻まれる。

「しかしまぁ……」

「ん?」

「目の前だ大量の弾幕が、弾けて消えるという光景も面白いな」

「あら、大分余裕が出来たみたいね」

「まぁ、ここは安全圏のようだ
しな」

 とまぁ今は余裕たっぷりだが、何れは俺も弾幕ごっこに関わることになるのであろうと思えば、嫌になってくる。
 俺は霊夢のように落ち着いて障壁を張ることなんて出来ないし、だからと言って避けるなんてことは出来ない。
 ……この世界で生きていく自信が無くなってきたぜ。
作品名:東方無風伝 2 作家名:国城 龍耶