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国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
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東方無風伝 2

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「風間は、剣術とかの心得っつーのか?そういうの、有るか」

「いや、刀を持つなんて今が初めてだ」

「じゃあ、剣術を扱ってる奴のところにでも案内するぜ」

「本当か」

 その魔理沙の提案は凄く嬉しいものが有り、今すぐにでもその申し出を受けたいところだが、問題が一つ。

「また、空を飛んで行くのか?」

「まぁ、そうなるだろうな。白玉楼は遠いし、結界も越えないと行けないし」

 魔理沙の話では、これから行くのは白玉楼と言うお屋敷だそうで、其処の庭師が剣術を心得ているそうで。そして、その白玉楼は巨大な幽冥結界と言う結界に囲まれているんだそうだ。
 越えるには、遥か空高くから『飛び越える』らしい。

「なんでまた、そんな結界なんて有るんだよ」

「あー、顕界と幽界を分ける結界だから、どうしても必要なんだよ」

「顕界と幽界を? それはどういうことだ」

「白玉楼は、冥界に有るんだぜ。心配はいらないぜ。よく花見なんかで盛り上がる場所だからな」

「亡霊で?」

「生者も、だぜ」

 なんとまぁ、幽界には生者が遊びに来ることはざらにあるんだそうで。
 その逆に、幽界に住むべき亡霊がこちらの顕界に来るのもまたしょっちゅうで。
 顕界と幽界を分け隔てるのが、先程魔理沙の言った幽冥結界だそうで、最近はその幽冥結界が弱まり、どちらにも気軽に行けるようになった、とのことで。

「生者は顕界、死者は幽界。そう分け隔てるのが理(ことわり)だと思っていたが、幻想郷はそうではない」

「まぁ、お陰でこっちにも幽霊は多くなってきたけどな」

「しかし、なぁ」

 生者は顕界、死者は幽界。それは絶対で有るものだと思っていたが、その両世界のバランスは、多少なら崩れても問題無いということなのだろうか。それとも、初めからバランスなんて存在しないとか。
 顕界で生者が死者になれば、死者は幽界に送り込まれる。
 幽界ではどうなのだ?
 幽界では、死者は有る程度の時間が経てば再び生者として転生出来る。
 顕界と幽界を、生と死で廻り続けるのだ。
 だが、生きるのも死ぬのも拒んだら?
 もし生者死者のどちらかが拒めば、バランスはどちらかに傾く。
 もしそうなったら、この幻想郷はどうなってしまうのだろうか。

「ほれ、さっさと行くぜ」

「はいはい」

 そんな心配を余所に、俺は生者として幽界に今赴こうとする。
作品名:東方無風伝 2 作家名:国城 龍耶