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帝人君誕生日祝SS詰め合わせ

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『臨也様とメイド帝人ちゃん』


*女体化注意



時を示す針は、間もなく日付が変わることを告げている。
今日で三日目。
臨也以外の誰とも会うことなく、ただ彼の部屋で熱を受け入れ時間を過ごす。
定期的に自分を自室に閉じ込め、軟禁めいた事を続ける臨也に帝人はすっかり慣れてしまっている。
彼に仕え始めてから随分経つが、自分が学んだ事で一番の最優先事項は臨也の言うことに逆らわないこと、だ。


明日は自分の誕生日。
臨也は知っているだろうが彼が祝ってくれるようには思えない。
まだ自分が普通の学生だった頃、両親や友人に祝って貰ったことが懐かしい。
帝数十分前までいつものように快楽で侵され身体は、脱力感で満ちている。
後ろにいる臨也は喉が渇いたのか、ベッド脇に用意してある水差しから水を注ぎ、喉を潤していた。
(これが、僕の日常。どんな日が訪れたとしても、きっと変わらない)
帝人はおぼろげな思考のままゆっくりと瞳を閉じ、冷たいシーツを手繰り寄せた。

カチリと、時計の針が刻まれた音が、静かな部屋に響いた。


「帝人。はいこれ」
臨也の声に目を開いた帝人の前に、パサパサッと何かが落とされる。
身体を起こし、薄暗い室内で目を凝らし何なのか確かめると、何通かの封筒――『竜ヶ峰帝人様』と宛名が記された手紙だった。
裏を確認するとそこにあったのは正臣や杏里、そして両親の名前。それぞれ一通だけではなく、彼らの名前が数通に記されている。
「こ……れは」
驚きに目を見開き、呆然とつぶやいた帝人に臨也は言う。
「君宛に来ていた手紙だよ」
「どうしてっ」
「渡すつもりはなかったんだけど、今日くらいはいいかと思って」
「え」
「俺はこれから仕事してくるから、君はゆっくりここで寝て。朝になったら……また、ね?」
露わになったままの帝人の首筋に一つ口付けを落とし、臨也は部屋を出ていった。

残された帝人は手の中に残った紙の束に目を向け、涙を流した。
もう触れ合うことはないと思っていた昔の自分の大切な人々からの言葉。
そして臨也の隠れた優しさに、胸が苦しくなった。







今日くらいは、朝までは思い出に浸ればいい。
朝になったらまたあの身体を抱き締めよう。
あの子は俺のモノ。
まだ素直に祝ってはあげないけど、ささやかなプレゼントを。


【早く落ちておいで、溶けるほど甘やかしてあげるから】