みんなといっしょ!
2:なおらないんだよね、これだけは。
「…乱太郎」
「なーにー、きりちゃん」
「これは何かな?」
きり丸に言われて答えるのは乱太郎。
「え…っと」
そこにいるのは見知らぬ青年忍者が手当をされて眠っていた。
「きりちゃん、人に対してこれはダメでしょ?」
「ああ、ごめん。ってそうじゃない! なんで、学園に敵方の忍者が寝てるんだよ!」
「助けたからに決まってるじゃない」
「だから!」
「きり丸〜。乱太郎に何いってもしょうがないって」
「伏木蔵まで!」
「だって、乱太郎だよ?」
「そうだけどよ…」
そう乱太郎の行為は昔から変わることはない。敵であろうが味方であろうが誰でも助ける。それが、自分の命が危なくなってしまったとしても。
「…お前が死んだら意味がないんだって!」
「わかってるよ」
ニコリと笑う乱太郎。
「でもさ、きり丸」
「なんだよ。伏木蔵」
「学園内というか、他でもここの保健委員長に勝てる人いると思う?」
「……」
「そういうこと。ここがどう言われてるかしってるでしょ?」
「最強の保健室…」
きり丸がいったとおり、学園内では当たり前だが。それは外にまで響いており。タソガレドキの忍者やドクササコ忍者まで出入りしているのだ。
「心配損てか?」
「でも、乱太郎はそうは思ってないよ。多分」
「?」
「乱太郎は人から心配されるのが嬉しいらしいからね」
「伏ちゃん! そんなことはバラさなくていいの!」
少し顔を赤くして、伏木蔵の肩に顔を置く。
「…ってことは」
「そ。わざとやってるにに決まってるじゃない。乱太郎だもん」
「…あははは」
「この、馬鹿。今日は覚悟しておけよ?」
「え〜」
「ご愁傷様」
「伏ちゃんの意地悪ー」
ぎゅーっと伏木蔵に抱きつく乱太郎。
「僕も心配だからね。今日はは組のみんなに怒られておいで」
「うー…」
「ということで。きり丸、我が保健委員長を頼むね」
「おう、任された」
「離してよ〜」
「駄目だ」
引きずられていく乱太郎を伏木蔵は手を振って見送った。
「ま。こんなことで我らが保健委員長が変わるわけないけど」
そう、乱太郎の口ぐせは
『なおらないんだよね、これだけは。』
なのだから。
その夜、は組から怒鳴り声が多数聞こえたのはいうまでもない。