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ウソツキ(伝勇伝・勇ライ+シオライ?)

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   ***



「アスルード、好き」
「うん」
「アスルードは?」
「好きだよ」
「そっか」

ライナは嬉しそうに微笑む。邪気の全く含まれない笑みは、彼がそれだけ壊れてしまったことを突き付ける。それを見て僕は過去の自分の愚かさを呪う。ライナが手に入っても壊れていたら何の意味もないのに。

なんて、嘘だけど。


「フェルナ」


ライナに聞こえないように、そっと囁く。
『愛』という彼の名。それを僕が口にすると罰が当たる気がした。
嘘つきの僕が『愛』を口にするなんて、罰が当たる。だから、聞こえないようにそっと。


どうして彼はこんなにも純粋なのだろう。どうして彼はこんなにもアスルードを好きなのだろう。
アスルードを殺したのは彼だというのに。

「馬鹿なこと、してるよな」

僕は、シオンなのに。