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監禁?軟禁?優しさですよ。

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「帝人と首なしライダーが顔見知りだとは知らなかったんだ」
「よく声かけたね」
「あのエロいライダーフォルムは女性だと思ってナンパした」
「セルティさんが優しい人で良かったよ、本当」
 呆れながら嬉しそうな帝人は白菜を口にする。
 鍋は美味しい。
 最初は焼き肉を提案されたが締めが焼きそばの気配があったので鍋にしてもらった。
「杏里の蟹は最高だな」
「太っ腹だよね」
 杏里いわく友達の誕生日だと話したら知り合いに大量に蟹をもらったと言う。
 その杏里は美香と何やら話している。
「あれ? 玄関が騒がしい」
「来てくれたのか」
「え? え??」
 笑顔の正臣に引っ張られながら帝人は玄関に向かう。

「平和島さん……?」
「おぅ。その、なんだ、誕生日なんだって?」
 ボロボロのバーテン服を気にすることもなく静雄は戸惑いながら小さな包みを取り出す。
「ちょっと砕けたかもしれねぇけど」
「いいえ! わざわざ、すみません。ありがとうございます」
 深く頭を下げる帝人に「おめでとう」と静雄は笑う。
「俺はちょっと新羅に用があるから」
 手をあげる静雄に正臣は「ありがとうございました」と頭を下げる。
「友達は大切にしろよ」
 帝人の頭を撫でて静雄は去って行く。
 その意味はもちろん分かっている。


 帰り道。行きとは違い二人はゆっくりと並んで帰る。
 今日はこのまま正臣の家に泊まるのだろう。
「ありがとう、正臣」
「おぉ! そんなに俺の杏里ボイスメッセージ集や壁紙が嬉しかったのか?」
 からかうような正臣に帝人は笑う。
 あたたかい気持ちだった。
「僕に内緒で誕生日会の準備したかったんだね」
「多い方が楽しいだろ? それとも杏里と二人が良かったのか? このムッツリーニ」
「何それ。別に昔も言ったけど『二人きりでも僕は淋しくない』よ?」
「余計なことしたか?」
 落ち込むような正臣に帝人は首を振る。
「今日は楽しかった。ありがとう、正臣」
「外に出ないで太った帝人はこれから運動か?」
 ぐいぐいと正臣は帝人の下腹をつまむ。
「誰のせいだと思ってるの? それにしても平和島さんに声かけるとは思わなかったよ」
「セルティさんだっけ? 首なしライダーと話してたら近くにいて駄目元で言葉だけでも祝ってくれないかって頼んだら即OK。いい人なのかも知れないが……でも、医者の人の頭をかち割ろうとするのにはマジビビッた」
「新羅さんも何言ったんだろうね。友達だからいつもことかもしれないけど」
「いや、あれは死ぬ……って、そーいや、なに貰ったんだ?」
「えっと、ひよこのクッキー?」
「帝人は主食がクッキーだと思われてるのか? 草食男子か?」
「あ、やきとりってアレ、正臣?」
「おう」
「ありがとう、大好き」
 唐突な帝人の言葉に正臣は目を見開く。
「ワンモアプリーズ」
「もう言わないよ」
「なんでだ! 安売りバーゲンセールしろよ。こういう時こそオープンマイハート!!」
「うるさいなぁ、もうっ」
 祝うために自分を閉じ込めた正臣に昔から変わらないと嬉しくなった。
 強引でも意味が分からなくても正臣は優しい。
 どれだけ時間が経ったとしても変わらない。
 そんなところが帝人は好きだ。