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こらぼでほすと アッシー16

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ユニオンでのテロの詳細を把握したので、集合した面々と、エターナルから虎とダコスタが、ラボから鷹か、通信を繋いで、そこで報告をする。左右のパネルに、虎と鷹、そして、集合している面々は、本宅の地下にあるシステム室だ。
「カタロンの一部が、独断でやったみたい。だから、犯行声明が、カタロン本体からは遅くなったんだね。」
 情報の解析を終えた、キラが、そう説明する。まず、そのテロが行なわれて、そこからカタロン本部に報告が上がったから、タイムラグが生じていた。
「ユニオンとしては、大々的に、これに対して報復するつもりで準備している。プレスリリースも、まもなくだ。これで、カタロンは確実に追われる。」
「やれやれ、どこでもハネッ返りはいるんだな。」
 アスランの報告に、ハイネは苦笑する。どこも一枚岩ではない。どうしても過激派というのが存在する。まあ、それがいるぐらいにカタロンも組織として大きくなったと言い換えることはできる。
「ユニオン本国にいるはずの犯人は、確実に捕まえるつもりだろう。それで、本部はどうするつもりなんだ? キラ。」
「もう、逃げちゃって、本部でも消息は掴めてないみたいだよ、虎さん。本部のほうは、ユニオンからの追撃をかわすために隠れるように、あっちこっちの支部に指令を飛ばしてるとこ。」
 何箇所かは、ユニオンも把握してるみたいだから、そこから叩かれるだろうね、と、キラは続けた。反連邦組織カタロンを、悪と断じる報道体制になる。これで、ユニオン市民だけでなく、連邦の民間人は、カタロンというものを憎むだろう。実際は、中東で悪逆非道な行いをしているアローズに対する抗議だったわけだが、その部分は知らされない。なんとも、簡単な報道管制だ。
「こっちへの影響は? 」
「まだ、ちょっとわかんない。特区にも、支部はあるんだけど、動きがないんだ。それから、ラクスのほうも警戒はしてもらってるよ。」
 歌姫様は、間の悪いことにユニオンで会議に出席していた。ただ、爆破テロのあった場所からは、かなり離れた場所にいるので、直接の影響はない。それに、ここで平和使節の歌姫様に、何事か遭ったら、ユニオンも面子が立たないから、そちらは、かなりの警備体制が取られた。これで、仕掛けられる心配は格段に減る。
「自爆テロだと判りづらいぞ? キラ。」
「ラクスは、会議場から軍の施設内に避難してるから、そこまでは来れないと思うよ、ハイネ。」
「それならいいさ。じゃあ、問題は、うちだけだな。」
 『吉祥富貴』は、繁華街の真ん中にある。ここに、自爆テロなんぞ仕掛けられたら、さすがに被害甚大だ。あまり知られていないが、知っている人間はいる。そこから漏れたら、こちらの生命も危ない。
「うちは、中に飛び込まれない限り、問題はないでしょう。会員制だから、そういう意味では安全だと思います。」
 会員制だから、入店できるのは、会員と、その関係者ということになる。それに、こちらを攻撃するなら、歌姫様が居る時だろうと推測される。
「まあ、しばらく休みにしとこうぜ、アスラン。わざわざ、この騒ぎの時に来るような酔狂なのもないはずだからな。」
 店の客は、セレブリティーな人間が多い。本国で、テロがあったのだから、外出は控えるだろう。
「予約は入ってますが、まあ、夕方まで様子見して、来られるようなら開店ということにしておきましょうか? 八戒さん。」
「そうですね。僕が店のほうへ出て、予約の確認をしておきます。キャンセルなら、キラくんたちは、このまま、こちらで。」
 予約客が指名しているのは、キラと三蔵だから、キャンセルでないのなら、出て来てもらえばいい。あの店は、外に爆発物を仕掛けられたぐらいでは、びくともしない作りになっている。内部にさえ、侵入されなければ危険は少ない。そこいらのリスクマネージメントは完璧だった。
「じゃあ、俺とレイは、こっちに詰めて、そのまま情報収集する。」
「シン、ユニオン頼むね。僕、カタロン本部のほうの動きを確認するから。それと、レイ、AEUのカタロン支部の動きをよろしく。」
「了解しました。」
 ユニオン本国だけなら、すぐに警戒態勢は解除する。そうでないなら、歌姫様の許へ、警備を増やす必要があるし、こちらも隠れる必要がある。まずは、情報収集。それが基本だ。
「オーナーのほうが問題なら、エターナルを降ろして、こちらに回収する。」
 さすがに、戦艦に攻撃を仕掛けてくる力は、カタロンにはない。それなら、エターナルへ避難して宇宙に逃げてもらえばいいだろうと、虎は提案する。
「まあ、規模から考えて、そこまでの体力は、あちらさんにはないだろうぜ? 虎さん。」
「一応、その準備だけはしておくさ、鷹さん。MSの整備もしておいてくれ。」
「そっちは、今、うちの整備スタッフ総出でやってる。」
 カタロンに格好をつけて、こちらにアローズが牙を剥く場合を考えて、そちらも準備する。何事もなければ、それでいいのだから、準備だけは万全を期す。今のところ、こちらのことは然程、嗅ぎつけられていないから、危惧は少ないのが有り難い。先手でイザークたちが護衛に入ってくれていたから、歌姫のほうも気分的には楽だ。あれで、歌姫様に何かあれば、ユニオンとプラントの国際問題になるから、ユニオン側も慎重にならざるをえない。
「こんなとこかな? 」
「キラ、おまえさん、勝手に出かけるなよ? ハイネとアスランは最低、お供に連れて行け。」
「わかってるよっっ。もう、ほんと、迷惑。刹那のプレゼントを買いに行こうと思ってたのにっっ。」
 そろそろ、刹那のプレゼントの用意を考えていたキラは、あっちこっち物色するために、ウインドウショッピングの予定だったのだ。だが、さすがに、この状態で外出は無理だから、ぷんすか怒っている。この事態が収束しなければ、勝手に外出もできない。どう考えても二週間やそこらで終わるものではないから、刹那のはぴばをやるにしても、縮小傾向だ。





 報道特別番組が多いので、レンタルしたDVDなんぞを、食事時に流すことにしているが、親猫が昼寝している時に、刹那は報道されている情報は確認していた。キラからも、それについての情報は送られているので、そちらとの突合せもしている。さて、どう動こうかと考えているところだ。テロの現場は見ておきたいのだが、さすがに、この時期にユニオンに入るのは厳しい。エクシアを隠すにしても、いつもより手間がかかる。
「ちび、ママが、そろそろだぞ? 」
 テレビを一緒に見ていた三蔵が柱の時計を見て、テレビのチャンネルを変える。一応、ロックオンは平静を保っているが、ちょっと寝つきが悪いので、クスリを服用している状態だ。
「三蔵さん、ロックオンのことなんだが・・・・」
 以前、ちょっと考えていたことを相談しておかないと、と、刹那は思い出して口を開いた。ロックオン・ストラトスというのは、組織のコードネームで、組織から外れたロックオンは、ニール・ディランディという本名に戻るのが、いいのではないか、と、刹那は考えている。だが、それを告げるには、今は時期が悪いだろうか、そこいらが、刹那には判断できなかった。