二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ぐらにる 争奪1

INDEX|4ページ/4ページ|

前のページ
 

「殺人は面倒が多い。殺るなら、ユニオンに戻ってからにしろ。」
 おまえら、何、簡単にとんでもないこと話あってんだよっっ、と、ロックオンが聞いていたら雷が落ちる内容だが、生憎と組織随一の常識人は出勤した後だ。
「移動させる。」
「それが妥当だろうな。・・・それにしたって、すぐには無理だ。」
「居場所を知られている。」
「とりあえず、そこからは連れ出す手筈は整えてやる。指示を待て。」
 連絡が繋がれば、考えるのはティエリアの仕事だ。目の前の食事を堪能しつつ、次の指示を待つことにした。せっかく地上で休養しろ、と、言われているのだから、ゆっくりすればいいのだ、と、ロックオンを詰りつつ、クロワッサンを齧る。ただのクロワッサンではない。中には、ハムやオニオンスライスが仕込まれているサンドイッチのようなものだ。それが、もうひとつと、残りのふたつは、潰したゆで卵をマヨネーズで合えたものが入っている。さらに、トマトとレタスのサラダだの、イチゴジャムを載せたヨーグルトだの、というものが食卓には置かれている。地上で、一緒にミッションを組む場合、刹那は、こういう朝食を食べていた。そういうもんだと思っていたら、ティエリアに、ものすごく羨ましがられたことがある。差別だ、と、抗議されて、ロックオンは宇宙でも、食材が準備できる限りは作っていた。よくよく考えたら、マイスター組は、きっちりとロックオンに餌付けされている。はもはもと、それを食べつつ、テレビをつけて、ニュースパックを確認する。今のところは、格別に新しい情報もない。組織のことも、特集されることは極端に減った。あれで、終わった、と、誰もが考えているのだろう。

 新システムの習得というのも表向きの用件で、実際は、組織でも実地で習得できるものだ。一応、名目上の仕事をつけておけば、無理に宇宙へ戻ろうともしないだろうと、ティエリアが考えた作戦だ。当人にも、半分遊びで通えばいい、と、まで説明したのに、真面目に通っているらしいのが、ロックオンらしいといえばらしい。

 ぴーぴーぴー


 メールの着信音が聞こえて、手早く携帯端末を開けた。そこには、ティエリアからの指示と、別の人間からの指示が届いていた。ああ、なるほど、こいつらが居たか、と、その指示を確認して、刹那も納得した。

作品名:ぐらにる 争奪1 作家名:篠義