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かぐたんのぷちぷち☆ふぁんたじぃ劇場Q2

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【7】オオカミと七匹ばかしの子ヤギ

昔々あるところにヤギの母さん先生と七匹ばかしの弟子子ヤギがおりました。
母さんヤギ先生はあすからしばらく学会で留守にするので、その間の食料買い出しに出かける前に、子ヤギたちを講堂に集めていいました。
「いいですか、ま……」
「まかせてくださいっ!」
顔は優男だけど性格が暑苦しそうなロンゲヤギが、前のめりに手を上げて声を張りました。
「私がリーダーになったからには、あらゆる場面で臨機応変・不測の事態にそなえますっ!」
「そうですか」
にっこり笑って先生ヤギがいいました。
「では、たのみましたよ」
並んで手を振る弟子子ヤギたちを残して先生は出かけていきました。すわとリーダーヤギは張り切りました。まずはメンバー全員の点呼です。
「あいよー」
ゆーちょーなグラサンの年長おじさんヤギを筆頭に、
「ハイっ」
若干緊張気味のメガネヲタ少年ヤギ、
「あーる」
マイペースのアルアル少女ヤギ、
「わうっ!」
もふもふわんこヤギ、
「……。」
しゃべらない着ぐるみヤギ、そしてリーダーの自分、と、
(……あれ?)
リーダーヤギはそこで初めて気が付きました。数えてみるとヤギのメンツが七匹にひとり足りません。仕方がないのでここは応急処置的に、着ぐるみヤギの着ぐるみを剥いでそっと空席に置いておきました。
――へっくしょいっ!
「……。」
かわいそうに、頭数をそろえるためとはいえ、身ぐるみ剥がされた着ぐるみは、代わりのシーツをかぶってぶるぶる震えておりました。
相棒の哀れな姿に、リーダーヤギとて心が痛まないではありませんでしたが、ときに非情な決断を下す、それもまたリーダーたるものの務めなのです。
さて、こうして弟子子ヤギたちは、練りに練った陣形を整えて銀の毛皮のオオカミが来るのを今か今かと待ち構えておりました。
が、待てど暮らせどオオカミはいっこうに姿をみせません。
「……ぜんぜん計画どおりじゃないアル」
待ちくたびれたアルアルアルペンヤギ少女は、おやつのすこんぶを手に、だいぶ前からおやすみモードだったわんこヤギをまくらにフテ寝してしまいました。ほかのヤギたちも持ち場を離れてそれぞれ勝手な行動を取り始めました。
「……、」
――おかしい、こんなはずでは、リーダーの面目丸潰れとなった形のリーダーヤギは、ねっとのつぼやきツールを駆使して速やかな情報収集にあたりました。
結果、ついに姿を現さなかった銀色オオカミがその頃何をしていたかといいますと、母さんヤギ先生が買い物カゴを持って家を出たところにいかにも偶然を装って往来で鉢合わせ、そのまま荷物持ちとして付き添って、しょっぴんぐもーるで肩を並べてかーとを押しながらランデヴ気分でラヴラヴイチャこいてた、という目撃情報が上がってきましたとさ、おしまい♪


【8】ガチムチ山

昔々あるところに筋肉自慢の野生のゴリラさんがいました。ゴリラさんはまいあさまいばん山の開けた場所でポーズをとっておのれの筋肉美によいしれておりました。
山に住む他のどうぶつたちはないしんめいわくだなー、見えないトコでやってくんないかなーと思っていたのですが、関わり合いになるのが面倒なので放っておきました。
そんなある日のことでした。ゴリラさんオンステージに、めずらしく観客の姿がありました。ゴリラさんはほくほくでたずねました。
「やぁ君も筋肉好きなのかい?」
「……」
チャイナにおだんご頭のうさぎさんはふるふる首をふりました。
「てゆーかガチムチは却下、時代は細マッチョある」
うさぎさんはそう言うとにんじんスティックすこんぶ風味をはむはむしました。――ズガーーーン!!! ガチムチのゴリラさんはショックを受けました。今まで褒められたこともなければけなされたこともなかったので、筋肉の流行り廃りにまで考えが及ばなかったのです。
ゴリラさんはしょんぼりうなだれて山を下り、我流をやめて高い入会金を払って街のジムに入りました。
鍛えて鍛えて鍛えまくって体脂肪率落としまくって、結果細マッチョというよりやりすぎて初号機みたいな究極体型になったので余計なんかアレなカンジでますますみんな遠巻きに、つーかよもやアレがかつてのゴリラさんだと気付く者はだれもありませんでした。
ゴリラさんは孤独と絶望の淵に追いやられました。バナナ片手に水面に映る自分の姿を見ても、皆が恐れて近づかないのももっともだと思えました。
そんなゴリラさんの前に、あの日のうさぎさんがふらりと現れて言いました。
「しゃるうぃーだんす?」
――カチっとな、うさぎさんがラジカセのスイッチを入れました。流れるテクノポップ音楽に合わせ、本家は細かすぎてついていけないので、ふたりはでたらめな振りのダンスを踊りました。あとあーかーヴぇー(ろしあ語)の曲も大音量で踊りました。夢中で踊っているうちに、落ち込んでいたゴリラさんはひさしぶりに愉快な気持ちになりました。
「……以上、特に悪意はないアル」
ラジカセを片してうさぎさんが言いました。よぉし、彼女たちに負けてはいられない、自分も歌って踊れるゴリラさんになることを、立ち直ったゴリラさんは誓うのでした。おしまい♪