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【腐向け】ならぬならぬ【成長団きり】

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団蔵の脳がぶるりと震える。
(なんでもって……!!!!)
結局、とても人様には見せられない妄想を一気に繰り広げてしまった団蔵の、負けだった。


それでも今日は一番長く持った方だと思う、と団蔵は自分を励ましながら、きり丸を縛る縄をほどいてやった。
きり丸の手首には、太い麻縄の痕が生々しくあった。痕が残ったのは初めてのことで、団蔵は少なからず動揺してしまった。それほど強く縛りあげてしまったのか、それほど辛く、きり丸が耐えていたのか。
「……ごめんな」
何も自分は悪くないのに、団蔵は謝ってしまっていた。それは恋人をこんなつらい目に合わせてしまって、という自責の念と、そんなきり丸に興奮してしまったという自己嫌悪から発せられたものだった。
だが、きり丸はそんな団蔵に、ぎゅうとしがみつく。
「きりちゃ、」
「ごめん、団蔵。俺も頑張らなきゃいけないのに、いつも耐えられなくて」
団蔵は俺のこと考えてくれてるのにな、と囁かれ、団蔵は我慢できず、その身体を力強く抱きしめた。
「……っ。ううん。次、頑張ろう。俺もついてるから、な」
「……うん、ありがとう」
しがみつき直し、感謝の言葉を伝えるきり丸はその手に握りしめた小銭を、そっと袖口に仕舞い込んだ。


かくして、決意も新たに、それからもきり丸と団蔵の鍛錬は続いた。
だが何故だか気付けば前かがみになっている団蔵を、乱太郎を迎えに来るたび、庄左ヱ門は軽蔑の眼差しで眺めるのだった。
そして何故か半年後、きり丸の貯金が少し増えていたという。