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潮目にて

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*読後感ぶち壊し後日談*























「嘆かわしい。実に嘆かわしい。最早なにに嘆くべきかもわからぬ。」
「おーい、元就さーん。」
「何故あのようにいたいけだったものがこのような図太い男に成り果てたのかも嘆かわしければ、賤しくも嫡男と生まれておった立派な男があのような形をしておったのも嘆かわしい。更に言えば己の分を弁えておれば良かったものを不遜にも家督を継いだばかりか四国統一を成すとは何とも嘆かわしいことよ。」
「うわー、珍しいくらい饒舌だなー元・松寿丸さん・・・」
「黙りゃ、せん、などと我を謀りおってからに。」
「や、ほら千翁丸が家督継ぐ子の幼名だから、兄貴死んだ後で皆がおせんって、な?」
「ええい、妖退治は我の仕事ではないが、鬼退治なら祖先の業よ。退治てくりょうぞ!」
「え、桃太郎?犬、猿、雉は?」
「そのようなもの、元は寓意よ現実に引き連れておっては駒にもならぬわ!」
「あ、オレその話知らねえ、教えて?」
「物知らずめ!あれは桃太郎が備えるべきだった気質を顕しておってだな、犬は忠実な誠意、猿は知恵、雉は機転と情報が、と待て、どうしてこのような話を!!
時代が違うわ!」

作品名:潮目にて 作家名:八十草子