救いを求める 夢待ち人
光が、見えた気がした。
暗い暗い闇の中、上も下も何もわからない空間に、突如生まれた光。あまりにもその灯は儚い物で、私は必死にその灯に手を伸ばした。
「ラウド」
何故、彼の名前が出たのだろう。
私が愛しているのはメロではなかったのだろうか。ああなんて最低なんだ。
伸ばした手を握ってくれたのはメロの手ではなく、私の頭を撫でてくれていた貴方のものでした。
私の心は一体誰の所にあるの?
『心配いらないよ』
「心配なんて、してません」
暗い暗い闇の中、彼の声が響く。私が何かを心配している?心配なんて心、Lには必要ない。
Lは全てを捨ててでも自分の正義を貫くために有るのだ。確かに彼はそう言った。だからそうなるために、必死に正義を考えて居た。
「ラウド」
貴方は、私の正義を理解してくれると言うのだろうか。それが薄汚れたものでも、貴方は私の手を握ってくれると言うのか。
救いを求める 夢待ち人
汚い世界から逃れたいと願いながら、
今日も少年は目を覚ました。
作品名:救いを求める 夢待ち人 作家名:紗和