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【腐:サクセラ】理解できるところまで

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「お前が俺をその気にさせたんだからな。今更逃げられると思うなよ」
そう言われて混乱した。
そもそも俺は逃げようなんて思ってない。思ってはないけど。
「さ、堺さんっ」
それでもこの急展開についていけるほど頭も良くないとわかってる。
のし掛かってくる体を押し退けようとしてもびくともしない。そもそもの体格が違いすぎるんだ。
背中に感じる柔らかさはベッドのそれで。
まあそういう意味でここにいるというのなら間違った使い道じゃないよなと思う俺にも本当は余裕なんかない。
余裕なんかあるわけない。
俺が堺さんの部屋に遊びに来ることになった経緯とかそれまでの俺の気持ちとか約束してからの俺の浮かれようとか。堺さんの様子とか。
諸々言い振らしたいくらいの大事なことがたくさんあったはずなのに全部、吹っ飛んだ。
期待してなかったのかと言われればそんなことはない。
俺が。堺さんを好きで、俺が。
いっそ俺が堺さんに襲いかかるシミュレーションまでしてたってのにこれは。
こういう状態で、力任せに押さえつけられるって意外に恐怖心があるんだななんて初めて知った。
堺さんの顔を見るのが怖かった。
押し倒してはみたものの困った顔をしていたらどうしようとか。
押し倒した相手が俺だと改めてわかって、気持ちが悪くなってたらどうしようとか。
俺の目はちゃんと開いてるけど堺さんの顔に焦点を合わせることは出来ない。
「いってっ」
頭突きされて額に歯を立てられた。
「お前ムカつくんだよ」
堺さんはそのまま俺を頭から喰おうとしているみたいにそのまま俺の頭のあたりで声を出す。
「さかいさ・・・」
なんだかよくわかんねえけど謝っとけ、みたいな気分になってすみません、と言おうとしたら遮られた。
「こうされてることの意味、わかってねえだろ」
「意味?」
そこでやっと堺さんの顔を見ることが出来た。
いつもと変わりないように見えて、それはほっとするところなのかそうじゃないのかに迷う。
「ほらな」
それ見たことか、とでも言いそうな堺さんの声に俺は焦った。わからないものはわからない。
今何を言うべきなのかだってわからない。だから。
「わ、わかんねえッスよっ俺頭わりいし・・・でもっ」
俺は自分の体に重なってきている堺さんの胸のあたりに手を当てた。
手が震える。
堺さんだ。堺さんがここにいて。俺と二人きりで。
ちょっと怒ってるけどまあ、それはいつものことで。だから。
「堺さんじゃなかったら、蹴り落として・・・っ」
ぐ、と体重がかけられて俺の体に更に堺さんが近くなる、と思ったら耳を舐められた。
「う、あ・・・」
変な声が出る。堺さんに聞かれたことのない声。当たり前だ。こんなこと。