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舞台裏の君/代役の君

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代役の君

竹谷の同室で親友である鉢屋は男色だ。厳密に言うと男色なのではなく同級の不破が好きなだけらしいので不適切かもしれないけれど、不破は男なのでやっぱり厳密に言っても男色かもしれないと竹谷は思う。まあどちらにせよ変わらず鉢屋と竹谷は親友であった。鉢屋は変装の名人でずっと不破の見た目をしていて、どうかとも思うけれどとにかく親友であった。だから竹谷は出来る限り鉢屋の恋愛を応援している。幸か不幸か二人は常識を具えていたので行き場のない鉢屋の恋情は主に竹谷が聞いてやっていた。雷蔵がかっこよくて死にたいなどと沢山喋りたい鉢屋の相手をするのも竹谷であったし、抱かれる夢を見たんだけど私の願望はどういうアレなんだろうかと泣きそうな寝起きの鉢屋を慰めるのも竹谷であった。そのせいで確かに二人は親友以上に仲が良く見える事もあったかもしれない。
「竹谷って不破と付き合ってるの」
「は?」
見覚えがあると思ったら鉢屋に告白していたくのたまであった。予想外すぎて竹谷は固まる。
「だってずっと一緒に居るでしょう、女は嫌いだと言われたし」
そう言ってぼろ、っと涙をこぼす少女に、彼女が不破と鉢屋を取り違えていると知る。とりあえず泣き止ませて誤解を解いておいたので自分は優しいと竹谷は思う。雷蔵につく虫を払ったと喜ぶ鉢屋が想像できたので少女には幾らでも優しくできる気がした。けれど不破と鉢屋の区別もつかない少女よりもっと鉢屋には勝機がない事に気付かない振りをして応援する真似事を続ける自分は全然優しくないのだろうな、とも思うのだった。

おしまい
作品名:舞台裏の君/代役の君 作家名:あおい