こらぼでほすと 一撃2
「え? そうなの? なーんだ。」
「でも、それも、シャリシャリしてうまいんだぜ? 」
「ニール、ほら。」
フェルトも、ハンカチに包んだ貝殻を持って来た。さすが、女の子、と、ニールは、そ
れを手にする。白い巻貝や桜色の貝が、たくさん、そこにはある。
「ほんとだ。綺麗だなあーフェルト。これ、ティエリアにも見せてやれよ。」
「そうだね。半分、ティエリアに持って帰る。海が、すっごく青くてウェットスーツでシ
ュノーケリングしたんだ。生きてるのも拾って、それはバーベキューにしたの。これは、
海岸で拾った。あとね、三輪バギーにも乗ったし、テニスも教えて貰った。」
フェルトが楽しそうに報告するので、ニールのほうも嬉しそうに頷いている。カガリが
誘ってくれて、フェルトは、やったことのないことを、色々と楽しんできた様子だ。刹那
も、カガリにゲームを教えて貰っていたし、どうやら、カガリには人に教える才能がある
らしい。
「俺もバギーに乗ったぜ、ママ。シンとレイとレースしてさ。レイが一番だった。ああい
うのおもしろいのな? 」
「カガリは? 」
「カガリはフェルトを乗せてたから安全運転してた。」
「でも、悟空、ダウンヒルは凄かったよ? あたし、いつか振り落とされると思ったもん
。」
「あいつ、ほんと、チャレンジャーだもんな。カーヴ一個、飛んで跳ばしたもんな。俺も
、あの時、フェルトやべぇーって、びびった。」
ただし、自らがやると、とんでもないのは、やはり、天然電波な弟と同じ遺伝子搭載し
ていることを証明している。
「ただいま、おや、フェルトちゃん、久しぶり。」
その話で盛り上がっていたら、トダカが顔を出した。ついでに、後ろからシンとレイも
一緒だ。お土産だよーと、トダカが、いろいろなスィーツを持って来た。ついでに、シン
とレイも宅配だよーん、と、発砲スチールの箱を下げている。
「アスハから、来られなかったねーさんに、って、言付かってきた。ロブスター。茹でろ
ってさ。」
「こっちは、魚と果物です。魚は、切ったら食べられるようにしてあるそうです。」
一応、出かけられないニールにも気を使ってくれたらしい。こういうところは、さすが
だとは思うのだが、ブツがでかすぎるのが、性格なんだろう。中から、ごろごろとロブス
ターが生きたまま出てくるし、魚は短冊にしてくれているが、大量にいろんな種類が入っ
ている。いくら、悟空がいても、これは無理だろう。
「あいつも、やっぱ、セレブなんだなあ。」
「いいじゃないですか、ニール。これで、おかずが確保できました。ちょっと肉粽が足り
苦しいので、ごはんも炊けば、いい感じです。」
おかん二人が揃っているから、まあ、そういうことなら、と、準備を始める。ロブスタ
ーは、刺身にも出来ると、トダカが解体をしてくれることになった。
・・・・この騒がしさが、うちだよなー・・・・・
夫婦ふたりも、静かでいいが、ちょっと物足りないと思っていた。やっぱり、これぐら
いのほうが、寺らしい。
作品名:こらぼでほすと 一撃2 作家名:篠義