ぐらにる 流れ2
今回、なぜ、自分だけが、普通の研究施設での新システム習得になったのか、それは、ティエリアからの提案だったからだ。少しゆっくりと身体を休めてください、と、ティエリアは地上で過ごすことを勧めてくれた。別に、ここで、ちゃんと習得しなくても、組織の本拠地で学ぶことも可能だから、ある意味、休暇と考えていい。いろいろとあって、どうにか生き延びた。まだ、これから、準備期間を数年かけて、新しい段階へ移行する。それまでの時間に、するべきことは多いものの、まだ、機体すら設計段階では、急ぐことはないのだ。
「そうか、真面目に通おうとするから苦痛なんだな。」
「それは違う。あんた、なんだか疲れているぞ? ロックオン。」
「毎日、真面目にカリキュラムをクリアーしようとしてたからな。二週間、そればかりで疲れたんだ。」
「ティエリアが名目上の目的としただけなのに、なぜ、それを遂行しようとする? 」
ティエリアも随分と人間らしくなった。人間には、息抜きというものが必要で、それをさせるにも、任務という形で地上に降りるほうが長期間に渡って滞在できることを気付いたからだ。ティエリアやアレルヤたちは宇宙生活に適した人体構造になっているから、さほど、地上に降りる必要はないが、刹那と自分については、それか゛必要だということも理解したらしい。だから、刹那と自分は、地上に降りている。
「ティエリアたちも降りて休めばいいのにな。」
「二週間後に降りてくる。名目上は、地上での訓練だ。」
もちろん、今、乗れる機体はないわけだから、地上訓練といったところで、やることはロードワークぐらいのことになる。
「久しぶりに四人揃うなら、旅行でもするか? 」
「ああ、アレルヤも、そんなことを言っていた。どこか考えておくと言っていたから、連れて行かれる覚悟はしておけ。」
「わかった。」
そのまま、刹那の部屋に居座ってもよかったのだが、ちょっとひっかかるので帰る事にした。わざわざ帰らなくても・・・と、刹那も勧めたのだが、あのエーカーの態度が気になった。今日は少し用事が出来たので、先に失礼する、と、言ったからだ。毎日のように一緒に食事することに固執した男が、そう簡単にやめるのだろうか、とも思った。もし、また、玄関の前に座り込んでいたら、今度は朝まで待ちぼうけを食らわすことになる。