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きみといきて、きみといきして

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『来年も、また一緒に』

そんな約束で君をこの世界に縛り付けることが出来るのというのなら、俺はそれこそこの声が枯れてしまうくらいに沢山の約束を交わすだろう。

明日を生きることさえあやふやな君と、明日もまた一緒に生きて、生きて、


来年も、その先も、ずっと一緒に―――



***



「もうすぐ、みーくんの誕生日だね」

始まりは、臨也のそんな言葉だった。
え、と帝人がベッドに横になったまま視線だけ臨也に向ければ、臨也が不思議そうに笑ってる。笑って、帝人の髪をくしゃくしゃに撫でた。

「何、もしかして自分の誕生日忘れてたの?」
「ちっ…ちが…違い、ます。その、ずっと入院してるから…時間の感覚が、なくて」

そっか、もうすぐ誕生日なんだ。もう、三月も終わりに近付いてるんだ。
帝人はぼんやりとそんなことを考えて息を吐いた。
そういえばもう雪が降らなくなってどれくらい経っただろうか。臨也の装いも気付けば冬仕様から変わっている。
ずっと病室にいるから寒さなどは気にしたことは無かったが、そうか、外はもう――。

「誕生日はサプライズでお祝いしようとも思ったんだけどさ、みーくんの一番欲しいものをあげたいから」

だから聞いておこうと思って。
臨也はそう笑って、帝人の髪を撫で続ける。それが心地良くて、くすぐったくて、帝人は瞼を伏せて身を任せた。