ぐらにる 流れ4
とんでもないだけだ、と、それだけは監視した。相手も、ロックオンを不審に思った様子
もなかった。アレルヤが空港で、搭乗ゲートに出向くあの男を監視していたのだが、色と
りどりのゼリービーンズの瓶を眺めて溜息をついていた、と、報告された。
だから、お互いに知らずにいたのだと刹那も確信できた。そうでなければ、途中で止め
ている。刹那たちが与えられない形の息抜きをしていたのなら、それはそれでいい。
「そうか、いい休暇だったよ。・・・エアチケットは、もう取ったのか? 」
「いや、まだだ。」
「なら、今夜は、こっちに泊まって、明日にしないか? まだ、いろいろと残ってるんだ
よな。」
冷蔵庫を指差してロックオンは笑っている。すでに、個人的な息抜きは終わったという
態度だ。
「アレルヤに連絡する。」
「ティエリアは? 」
「特区内にはいるはずだ。そちらにも連絡する。」
「じゃあ、ひとつ、腕を奮いますか。」
いつものようにロックオンは、髪をひとつに結んで、冷蔵庫を開いている。たぶん、食
材の確認だろう。とりあえず、と、刹那は、ロックオンからプリンを渡された。
「おまえだけゼリービーンズがないから、これで勘弁しとけ。」
「意味がわからない。」
「後でわかるよ。」
さて、と、鍋だのフライパンだの取り出しているロックオンは、いつもと変わらない。