ひわひわえいぷりるふーる。
④【蓮】の場合
ジ:「そういえばオーナー」
蓮:『何だ?』
ジ:「オーナーって、どうしてこの店始めたんですか?」
蓮:『どうしたんだ唐突にそんなこと聞いて?』
ジ:「あ、いやね、オーナー程の人なら稼ごうと思ったらもっと稼げそうなのに
どうしてホストにしたのかなぁって思いまして…」
み:「ぱぱは、ホストでも十分稼いでるけどね」
蓮:『俺はな、とある有名企業の出世コースにいたんだよ』
ジ:「え、そうなんですか?!」
蓮:『そのまま行けば幹部は確実だったんだが、
そ~まの知り合いがここの元オーナーで、
病気でこの先長くないからどうか継いでくれないかと言われたんだよ。』
み:「………そんな話俺聞いたことな―――もがっ…」
蓮:『みーちゃん。しずかに。』
ジ:「そ~まさんって、関東店のオーナーのですよね?」
蓮:『ホストなんて不安定な業種より、そのまま出世コースを走っていれば
将来安泰なのは間違いなかったが、その人を放っておけなかったんだ。
あいつが直々に頭を下げて来たしな………で、この店を継いだんだよ。』
ジ:「へーぇ…そんなことがあったんですねぇ………」
蓮:『従兄弟同士でホストクラブ経営ってのもどうかとは思ったんだが、
それでも俺がこの店を継いだことでその人は安心して引退したよ。
だから俺がこの店を守らないと、と思ってるんだ。』
ジ:「………オーナー、僕っ………感動しました………!!
オーナーは、ただ女好きなだけじゃなかったんですねっ…!!」
蓮:「ジギル、来月の給料50%カット…と。」
ジ:「あぁぁぁ嘘です冗談ですよ本気にしないで下さい!!
俺、今まで以上に頑張って良い店にしますからっ…!!」
蓮:『あぁ、ありがとうジギル。頼んだぞ。』
(……って言うのは全くの嘘で、
本当は綺麗なお姉さんと正々堂々酒を飲みながら楽しめるからなんだけどな。
まぁ本人もやる気になってるみたいだし、これからも下僕のように働いてもらおう。)
【蓮】の場合:呼吸をするように嘘をつくので気付かれない
作品名:ひわひわえいぷりるふーる。 作家名:ユエ