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国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
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東方無風伝 4

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まだ、この世界に妖怪が蔓延(はびこ)っていた時代。妖怪はその強大な力を振い、彼等は自由気ままに過ごしていた。時に人を襲い、人を喰い、人を攫い――――。
 そんなことをしていれば、人間に恨まれるのは自然の出来事。
 人間は自分達の天敵である妖怪を恨み憎んだ。時には感謝するようなこともあるが、それは怨恨と比べればちっぽけなもの。
 人間は次第に力を付け、妖怪を討ち始めた。それが始まるのもまた道理。人間と妖怪は互いに力を付け、戦った。
 理不尽に退治されることも多くなった妖怪達は、この世界はとても居辛い世界となった。
 そうして、彼等は動いた。
 妖怪の中でも特に力が有る者は、賢者と呼ばれた。
その賢者の一人、八雲紫。
 彼女は、妖怪の為の世界の創世を説いた。
 それが、この幻想郷。
 外の世界の一部を、妖怪の世界にしてしまおうというものだった。
 選ばれたのは、日本と言う小さな、だけど高度な文明を持つ島国だった。
 日本の一部を、切り取り、結界で覆い、隔離された空間。それが、幻想郷。
 所詮幻想郷は隔離されているだけに過ぎない。幻想郷を覆う結界が消滅すれば、この幻想郷は元通りに外の世界に現れる。
 それは、妖怪の為の世界の崩壊を意味する。
 この幻想郷は、妖怪の為の世界だ。当然、妖怪にとっては非常に過ごしやすい世界となっている。外の世界の妖怪の殆どは、此方の世界に移り住んだ。
 だから、外の世界に妖怪はもう数える程度にしかいないだろう。
 いないわけではないのだ。外の世界の妖怪は、もう仲間はおらず、彼等にこの幻想郷の情報が行き渡らないと言うことも有る。或いは、外の世界で人間として生きたり。兎に角、中には外の世界で生きる妖怪もいるのだ。
 その中で最も妖怪『らしく』生きているのが、『災厄の使途 カタストロフ』。
 彼女は、恐らくこの幻想郷でもいない、最も妖怪らしい妖怪だ。
 それは、人間を殺す存在。
 それは、人間から呪われる存在。
 それは、人間を呪う存在。
 その存在は、呪いそのもの。
 彼女は、何処からか突然現れ、何故か人間の存在そのものを呪い、人間を殺しまわった。
 妖怪は今もまだ生きているのだ。外の世界でも、この幻想郷でも。
 人間と妖怪は、互いに牽制し合って生きなければならない。それが理(ことわり)だ。それが具現されたのが、妖怪を迫害した外の世界と、妖怪を保護するこの幻想郷の関係なのだ。
作品名:東方無風伝 4 作家名:国城 龍耶