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THW小説⑦ ~ Episode JIN ー別離ー ~

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―碧風 side―

かくして,ザビはあっさりと除隊願いを受理し。
俺とザビは,ジンさんの見送りのため,外へ出た。
「ジンちゃん!元気でね。またいつでも戻っておいで!!」
ザビは,明るく送り出す。
「・・・・。」
俺は,何も言えないでいた。
「ほら,お前も何か言えよっ!!」
つんっとザビに肘でつつかれる。
「・・・あ・・・」
その時,空からチラチラと降ってくるものがあった。
東京の夜空に
季節外れの雪が舞い降りる。
暗闇の中に,光る白。
思わず,3人で空を見上げる。
「これは・・・良い門出ですね。」
ジンさんが,手で雪を受け止めながら,ふっと微笑む。
「・・・では,私はこれで。」
ザッ・・・とジンさんが背を向ける。
「・・・ジンさんっ!!!」
自分でも吃驚するぐらいの大声が出た。
「・・・今まで!!ありがとうございました!!」
バッと頭を下げる。
・・・決して,泣いていたからなんかじゃない。

「・・・さよなら。」
ジンさんはそう言って,ふっと笑い
闇の中に姿を消した――――――




「・・・なぁ。」
「・・・何だ?」
ジンさんを見送って,ザビと二人。
「ジンちゃんのお前へのイレコミっぷり。お前のジンちゃんへの絶対的信頼。もしかして・・・あの事故・・・」
「・・・さぁな。俺もはっきり覚えてない。」
「そか。・・・さみぃな。」
「戻るか。」
「おう!コーヒーいれて〜!」
「またそれかよ!たまには自分でやれ!」
「いーじゃんか,ケチ!!」

寒空に,ワーワー騒ぐ男二人の姿があった・・・




後日―・・・

油性ペンで落書きされた屍が,戦場に大量に発見されまくったが,
犯人は未だに特定できていないという
風の噂が流れてきたのは,内緒の話。

         END

              プロット 2011.02.28 開始
              PCIN 2011.04.03

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