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こらぼでほすと 一撃6

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 ニールが声をかけると、「娘さんとお茶でも飲もうかな。何か果物はないか? 」 と

、そこにいるメンバーに命じている。一瞬にして、メンバーたちは台所へと走り去る。残

っているのが、看病用の椅子をニールに用意してくれている。すいません、と、お礼を言

って座りこむ。

「具合はどうだい? 娘さん。」

「熱は下がったんですが、アマギさんが、今日は横になってろ、と。」

「まあ、そのほうが無難だろうな。」

「トダカさんこそ、検査してもらったんでしょ? どうでした? 」

「まだ炎症が治まってないから、もうしばらくは安静だそうだ。月曜から復帰できると踏

んでたんだがね。」

 トダカの場合は、腰に人工骨が入っている加減で、そこのマッチング部分が腫れていて

、痛みが退かない。それで時間がかかっている。順調ではあるのだが、健常体ではないか

ら、その弱い部分に負担がかかるのはしょうがない。

「俺、月曜から準備だけ手伝ってきましょうか? 」

「そうだな。そうしてくれるか? ニール。」

 里帰りしていると、一緒に店にも出勤するから、準備や掃除の段取りをニールは知って

いる。さすがに、バイトたちや悟浄たちに、そこまでやらせるのは大変だろうから、手伝

いだけはさせてもらうことにした。



「トダカさん、アスランくんが来ているんですが起きられますか? 」

 ニールがトダカの部屋から引き上げてから、アマギが呼びに来た。仕事のことだろうと

起き上がって、食卓で話はすることにした。ベッドは座っているのがスプリングがあって

辛い。

「お加減はいかがです? トダカさん。」

「キラ様は、一緒じゃなかったのかい? アスラン君。」

 いつも一緒が基本なのに、キラの姿がない。アスランは、キラの護衛もしているのに、

そのキラがいないのは、トダカも慌てる。

「大丈夫です。寺で悟空と一緒ですから。」

 それなら、安心だ、と、トダカも席に着く。寺なら、ミサイルでも撃ちこまれない限り

、キラに危害が加えられることはない。

「何か問題でもあったかい? 」

「それが、基本的なことが、俺たちではわからないことが判明しました。お客様の傾向と

対策を教えていただきたくて。」

「ああ、そういうことか。アマギ、メモとペンをくれないか? 」

 予約帳を取り出したアスランも大きな付箋とペンを持っている。予約客一人一人に対す

るメモをとるつもりで準備していた。

「この方は、最初がドライ系のビールでカクテルは嗜まれずに、バーボンに流れる。銘柄

は、これとこれ。それから、こちらの方は、カクテルは、マティーニだが、ベルガモット

とドライジンの割合が、二対八で、隠し味に・・・・」

 という具合に、すらすらとトダカが、お客様の傾向と対策をメモしてくれる。それを、

アスランが貼りつけて、チェックする。事細かに、トダカが指示を出してくれるので、ア

スランとしても大助かりだ。

「湯布院から届いてた地ビールは、お試しで出してみてくれ。評判が良かったら、また取

り寄せるから。」

「あれ、三蔵さんと鷹さんと虎さんで、かなり味見して、在庫がありません。」

「しょうがないなーあの人たちは。じゃあ、もう一度、取り寄せる手配はしておこう。」

「いえ、俺のほうでやっておきます。トダカさんは、ゆっくりしていてください。」

 一週間分の予約について、指示は貰った。あとは、突発で入ってくる予約というのはあ

るが、そういう場合は、また連絡することにした。メモを貼り終えて、アスランは顔を上

げた。今回で気付いたことについても相談してみることにした。

「かなりの仕事量だから、少し分散させましょうか? 」

「そうでもないよ。きみたちは、他の仕事も入るから、分散させないほうがいいんじゃな

いかな。」

 MS組は、今のところ、突発的に仕事が入ることがある。刹那たちの組織が動き出せば

、さらに頻繁になるのは想定内だ。だから、仕事は分散させないほうが安全だというのが

、トダカの言い分だ。アスランも、それには同意する。

「ですが、トダカさんが休まれるだけで、この騒ぎというのも、どうかと俺は思うんです

。もう少し、店のほうも力を注ぐべきじゃないですか。」

「滅多にないことだよ、アスラン君。長期で休むことがあれば、どこからかバーテンダー

を派遣してもらうから心配しなくてもいい。」

 トダカは「吉祥富貴」の管理責任者だから、人材の派遣なんかの決定権は持っている。

普段は、八戒とアスランで適当にした結果を報告しているが、いざとなれば、それを使う

つもりらしい。それにね、と、トダカは付け足して苦笑する。問題があるのだ。

「今のところは、店になるべく、外の人は入れたくないんだ。刹那君たちのほうが、落ち

着いたら、そちらも考えてみればいい。」

「確かに、そうですね。・・・・わかりました。しばらくは、この体制でお願いします。



 店内で極秘に話し合っている内容が内容だから、今のところは、外部の人間は入れたく

ないのは、アスランも同意見だ。はいはい、と、トダカも頷く。現状維持が、一番望まし

いと決めて、アスランもすぐに辞した。怪我人のところで、長く居座るつもりはない。ふ

と、ニールの姿がないことに気付いた。

「トダカさん、ママは? 」

「今日は、うちのものたちが見張ってるから、部屋に軟禁されてる。」

「ああ、それなら安心ですね。」

 雨で体調を崩しているので、静養しているなら、問題はないだろう。やはり、キラは連

れてこなくて正解だった。キラがいれば、ニールは、いろいろと我侭をきいて動きまくる

からだ。


作品名:こらぼでほすと 一撃6 作家名:篠義