二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

こらぼでほすと 一撃7

INDEX|1ページ/5ページ|

次のページ
 
日曜日の夜に、アマギも帰り、トダカ家は、トダカとニールだけになった。しばらくは

、天候も安定するらしいので、トダカの世話はニールで十分だと認められたからだ。トダ

カのほうも、無理すれば痛むという程度だから、家での移動は自力なので問題はない。



 翌日から、とりあえず、ニールが開店準備の手伝いに出ることにした。かなり早めに出

て、ここで年少組のおやつも製作しておけばいい。適当に買い物してきて、それらを厨房

に置いて、店表のほうに掃除機をかけるところから始めた。

 一週間に一度は、クリーンサービスが入っているから、ざっとかけて、後は拭き掃除だ

。トイレ掃除をしていたら、爾燕が出勤してきた。

「おい、ニール? 」

「おはようございます。」

「ニール? え? おいおい、あんた、何してんだよ? 」

 バイト組の紅も、爾燕の手伝いで出勤してきて、驚いている。

「よおう、紅。店表は終わってるから、外の掃き掃除してくれ。」

「いや、そうじゃなくて。ニールは、トダカさんの看護じゃなかったのかよ? 」

「別に付っきりの必要はないから、こっちの手伝いだけな。あ、おまえ、リクエストある

か? おやつ作るけど。」

「大丈夫なのか? あんま動いてると、おまえも疲れるぞ? ニール。」

「これぐらいは大丈夫だよ、爾燕さん。」

 まあ、何にしろ助っ人は有難い。とりあえず、掃除を片付けてしまうと、次は料理の下

準備だが、本日は予約がないので、スタッフたちの軽食というか晩メシ作成の下準備なん

てことになる。

「じゃあ、デザートしようか? 」

「市販の杏仁豆腐にフルーツでも飾ってくれ。それと、ゴマ団子あたりでいい。」

「了解。ちょっと、トダカさんにも貰っていっていいか? 」

「ああ、メシは、こっちのを持って行け。」

 作るものを打ち合わせると、さくさくと手が動く。どっちも大量に調理するのに慣れて

いるから、作るモノさえ決めたら早いものだ。紅のほうは、その間に、一階奥と二階のV

IPルームの掃除に取りかかっている。そこへ、シンとレイも顔を出した。

「おい、ねーさん? 何やってんだよ。」

「ちょいと助っ人。その代わり、晩メシは、こっちのを貰って帰る。」

 シンが心配して叱ると、ニールの返事が、これで、無理に追い出せない。無茶すんなよ

、と、怒鳴りつつ、シンも準備に取りかかる。カウンターの向こうの酒瓶を拭くつもりら

しい。

「具合はいいんですか? ママ。」

「ああ、もう大丈夫。レイ、事務室のほうの掃除機かけといてくれるか? 」

「はい。」

 いいお返事だ、と、缶詰のチェリーを、ひとつ、レイの口に放り込んで背中を叩く。さ

すが、おかん、と、爾燕がツッコミだ。そして、沙・猪家夫夫が顔を出す。こっちも、や

っぱり、ニールの顔を見てツッコミだ。

「こっちのことは、気にしなくていいですよ? ママニャン。」

「トダカさんが、とりあえず、手伝いして来いって言うんですよ。で、晩メシは、ここで

貰って帰るので、ギブアンドテイクにはなってると思います。」

 ハハハハハと笑いつつ、餡を包んでいるニールに、八戒も苦笑しつつ頷く。ニールの場

合、こういうことをしているほうが精神衛生上はいいからだ。

「無理しない程度でお願いしますよ。」

「おい、爾燕、ママニャンを使い過ぎるなよ? 」

「わかってるさ。」

 事務室のほうへ移動して、八戒と悟浄は、顔を見合わせて微笑む。やはり、普通の日常

担当の人間がいてくれると、周囲は和むものらしい。

「今日はいいけど、明日から、また大変なんだろうなあ。」

 予約帳を確認しつつ、ぶへーと悟浄は息を吐く。お客様ごとにメモが貼られているのだ

が、かなり事細かい指示が書いてある。

「できると言ったからには、最後までやってください。」

「乗り切ったら、褒めてくれよ? 」

「プリンアラモードでも作りましょうか? 」

「男体盛りでか? それなら刺身のほうがいいな。」

「・・・・ねぇ、悟浄。それ、誰の身体に盛るつもりなんですか? 作るのは僕なんで、

僕には盛れませんよ?」

「はあ? おまえ以外のは見たくもないぞ。あーそーかー。じゃあ、普通に、どっか飲み

に行こうぜ? 」

「そうですね。今後の参考にもなるでしょうから、それで手を打ちましょう。」

「おまえらもさ、それを公共の場で会話するのは恥ずかしいって感覚を持ってくれないか

な? 」

 その会話を一部始終、聞かされていた鷹は渋面をしている。運悪く、事務室に入ってき

たらしい。そろそろ、全員が揃う時間だ。鷹が来たなら、アスランたちも、まもなく現れ

るだろう。今日は予約はないので、明日からのお客様への対応の打ち合わせぐらいしかす

ることがない。

「あんたも、マリューおねーさまとやってる会話だろ? 」

「うちは、そういうのはないぞ。・・・・悟浄、明日、俺はラボで留守なんだ。いけるか

?」

「まあ、なんとかするさ。」

 今、乗り切ると約束したんだから、えーーとは言えない。明日の客は、カクテル派では

ないはずだから、なんとかなるはずだ。

「おはようございます。」

 出勤ラストのアスランが現れた。厨房のほうから、ぎゃあーという声が聞こえるので、

大明神様は、ママのところへ突撃したらしい。

「あれ? 坊主が来てないんじゃないか? アスラン。」

「今日は休みだそうです。指名もないので。」

 バイトの坊主とサルは、指名さえなければ休んでも問題はないので、予約がなければ、

休みを取ったりもする。

「え? 連絡入れてください、悟浄。食事とママがあるから顔を出すようにって。」

 八戒の指示に、亭主が携帯を開く。ある程度、ニールが食事の作り置きはしているが、

それでも、やっぱり侘しい気分にはなるらしい。ちょうど、そのふたつが揃っているのだ

から、休まず出勤してくればいいだろう。

「すぐに来るとさ。」

「甘やかしるとは思うんですけどねー。素直じゃないんだから、あの坊主は。」

 今までは、ふたりで暮らしていたのだから、侘しいとかいうほうがおかしいのだが、ま

あ、あれだけ人が集まって、いきなり居なくなれば侘しいと思ってもしょうがない。で、

特に、存分に世話されている坊主としては、女房が居ないと何かと不自由しているし、や

っぱり、顔は見たいとは思っているらしい。八戒たちには言わないが、悟空には、「そろ

そろ、こっちへ拉致して来い。」 とか、命じているのが、いい証拠だ。





 そう時間を置くこともなく、寺の坊主とサルも出勤して来た。ニールの顔を見て、悟空

も嬉しそうに抱きついている辺り、やっぱり寂しいらしい。

「この間、パンケーキうまかった。」

「そっか、また作るよ。まだ、おかずは足りてるか? 」

「うん、そっちは大丈夫。でも、やっぱ、なんか物足りない。」

「そっちに顔を出せたらいいんだけど。土曜か日曜にでも帰ろうかな。」

「トダカさんがよくなったらでいいよ。」
作品名:こらぼでほすと 一撃7 作家名:篠義