想いよ、届け 騎士と少女編
2月14日、聖バレンタインデー。
世界中で人々が愛する人に愛を伝える日。
そして、ここにも愛を伝える一組の恋人たちが――。
<普と列の場合>
2月14日、バレンタイン当日――。
プロイセンはスイス宅の玄関前に立っていた。
手にはしっかりとピンクのチューリップのブーケを持って。
―チューリップは綺麗に咲いてるし、スイスは軍の訓練に参加しているから不在。
プロイセンは緊張をほぐす為に、頭の中で確認事項をチェックしていた。
チューリップはオランダ→ベルギー→ドイツ経由で、一番良い物を譲ってもらった。
(チューリップ提供:オランダ、ラッピング:ベルギー、花の世話:ドイツ)
それから、悪友であるフランスにスイスの不在情報を無理やり調べさせて、提供してもらった。
―よっし、俺様は完璧!!
プロイセンは震える手を抑えながら、玄関チャイムのボタンを押した。
『リンゴ―ン』という鐘の音の響きに似たチャイムの音が家の中から聞こえ、それに続いて、パタパタと可愛らしい足音が聞こえてきた。
―こけんじゃねぇぞ…。
プロイセンは少しハラハラしながら、玄関の扉が開くのを待った。
「どちら様でしょうか?
…あら、プロイセンさん、いらっしゃいませ。ご機嫌麗しゅう。
今日は何かお約束していましたでしょうか?!」
玄関の扉が開き、プロイセンの恋人であるリヒテンシュタインが立っていた。
リヒテンはいつもと同じ挨拶をすると、突然のプロイセンの来訪に驚き、慌てていた。
「別に約束なんかしてねーよ。
これをお前にやろうと思って、俺が勝手に来ただけだ」
プロイセンは少し頬を赤らめて、手にしていたチューリップのブーケをリヒテンに差し出した。
「そうでしたか…。でも、嬉しいです。
まあ、綺麗なチューリップですこと。
ありがとうございます、プロイセンさん」
リヒテンの表情はとても嬉しそうに優しく微笑んでいた。
「じゃ、俺は帰る。
じゃあな、リヒテン」
プロイセンは、嬉しそうに喜んでいるリヒテンの様子を見て満足したのか、足早にスイス宅を後にした。
「プロイセンさん……」
リヒテンは名残惜しそうに、プロイセンの後姿を見送った。
その後、プロイセンからリヒテンへちょっとしたサプライズがあった。
プロイセンが帰った後、リヒテンがチューリップを花瓶に生けようとした時、ブーケの中に隠されていたメッセージカードを発見した。
メッセージカードには「Liebe(愛してる)」と一言だけ書かれてあった。
世界中で人々が愛する人に愛を伝える日。
そして、ここにも愛を伝える一組の恋人たちが――。
<普と列の場合>
2月14日、バレンタイン当日――。
プロイセンはスイス宅の玄関前に立っていた。
手にはしっかりとピンクのチューリップのブーケを持って。
―チューリップは綺麗に咲いてるし、スイスは軍の訓練に参加しているから不在。
プロイセンは緊張をほぐす為に、頭の中で確認事項をチェックしていた。
チューリップはオランダ→ベルギー→ドイツ経由で、一番良い物を譲ってもらった。
(チューリップ提供:オランダ、ラッピング:ベルギー、花の世話:ドイツ)
それから、悪友であるフランスにスイスの不在情報を無理やり調べさせて、提供してもらった。
―よっし、俺様は完璧!!
プロイセンは震える手を抑えながら、玄関チャイムのボタンを押した。
『リンゴ―ン』という鐘の音の響きに似たチャイムの音が家の中から聞こえ、それに続いて、パタパタと可愛らしい足音が聞こえてきた。
―こけんじゃねぇぞ…。
プロイセンは少しハラハラしながら、玄関の扉が開くのを待った。
「どちら様でしょうか?
…あら、プロイセンさん、いらっしゃいませ。ご機嫌麗しゅう。
今日は何かお約束していましたでしょうか?!」
玄関の扉が開き、プロイセンの恋人であるリヒテンシュタインが立っていた。
リヒテンはいつもと同じ挨拶をすると、突然のプロイセンの来訪に驚き、慌てていた。
「別に約束なんかしてねーよ。
これをお前にやろうと思って、俺が勝手に来ただけだ」
プロイセンは少し頬を赤らめて、手にしていたチューリップのブーケをリヒテンに差し出した。
「そうでしたか…。でも、嬉しいです。
まあ、綺麗なチューリップですこと。
ありがとうございます、プロイセンさん」
リヒテンの表情はとても嬉しそうに優しく微笑んでいた。
「じゃ、俺は帰る。
じゃあな、リヒテン」
プロイセンは、嬉しそうに喜んでいるリヒテンの様子を見て満足したのか、足早にスイス宅を後にした。
「プロイセンさん……」
リヒテンは名残惜しそうに、プロイセンの後姿を見送った。
その後、プロイセンからリヒテンへちょっとしたサプライズがあった。
プロイセンが帰った後、リヒテンがチューリップを花瓶に生けようとした時、ブーケの中に隠されていたメッセージカードを発見した。
メッセージカードには「Liebe(愛してる)」と一言だけ書かれてあった。
作品名:想いよ、届け 騎士と少女編 作家名:桜飴♪