そういう訳ではありませんよ。
「アーサーさん?」
「どっ、どうしたっ?」
「いえ・・・何も・・・」
反応が薄くなってきてるよな・・・
菊に聞いてみるか・・・
でもなぁ・・・なんか不安だ・・・
「さっきのことなんだけどよ・・・」
「はい。どうしました?」
「菊は、俺に何か不満でもあるのか?」
「なんでですか?」
なんでって・・・菊がそんな本ばっか読んでるからだろ・・・
「いや・・・きっ、聞いてみただけだ!」
「そうですか・・・。」
どう、話を進めればいいんだ?
「もしかして、かまってほしいんですか?」
「いや・・・そういう訳じゃ・・・」
「そういうアーサーさんもいいと思いますよ!」
「え・・・あ、はい。」
「たまにデレるのも悪くありません!というか、デレて下さい!!」
えっと・・・
これは、流れ的に俺が「受け」になれと・・・?
菊に頼まれたしな・・・
「あ・・・でも、頼んだら自然とは言えないので、さっきの言葉は忘れて下さい!!」
「え・・・?」
てっことは・・・今までどおりでいいのか?
「アーサーさん・・・勘違いしないで下さいね。」
「え?」
「私は自然なデレが見たいので・・・まぁ、簡単に言えば・・・素直になって下さい。」
すっ、素直になれと?!
おっ、俺だってそれくらいはできる・・・よな?
ということは、やっぱり俺は「受け」なんだな・・・?
「大丈夫ですよ。私もそこまで貴方を苛めませんから。」
「どういうことだ?」
「ただ単に、素直に生きればいいんですよ。」
無理です。
いや・・・頑張ればできるかもしれないが・・・
「嘘ですよ。」
「は?」
「少しだけ、貴方で遊んでみました。」
「てっ・・・おいっ・・・」
「すみません。でも、たまには見たいんですよ、素直な貴方が。」
「じゃあ、このままでもいいんだな?」
「そういう訳ではありませんよ。」
・・・俺はどうすればいいんだ?
作品名:そういう訳ではありませんよ。 作家名:へたれ。