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想いよ、届け ル-トリッヒ編

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2月14日、聖バレンタインデー。
世界中で人々が愛する人に愛を伝える日。
そして、ここにも愛を伝える一組の恋人たちが――。


<独と列の場合>

2月14日、バレンタイン当日。


ドイツが、今日がバレンタインデーだという事に気が付いたのは、部下のある一言だった。


「そういえば、今日はバレンタインデーですけど、ルートヴィッヒさん(=ドイツ)はどうするんですか?俺は…」


「今、何と言った?」
ドイツは走らせていたペンを止めた。

「え?だから、ルートヴィッヒさんはどうするんですか?」
「だから、その前だ!その前に、何と言ったかだ!!」

「その前って…。今日はバレンタインデーですけど、って…」
ドイツが鬼気迫る表情だったので、部下は思わずたじろいだ。

「!!!!」
ドイツの表情は一転して、青褪めたものに変わった。

「あの…、ルートヴィッヒさん?
もしかして、忘れてたんですか?」
部下の問いかけに、ドイツは頷くしかなかった。


ドイツ国内のバレンタインデーは男性から女性へと花束を贈るのが一般的で、恋人や夫婦など愛し合う者同士限定のイベントとなっている。


ズドーンとドイツを覆う空気は一気に暗くなっていた。

どうやら、ドイツは仕事にばかりかまけていて、バレンタインデーを忘れていたので、何も用意していなかったのだ。
しかも、時刻は夕方近く。
仕事が終わってからプレゼントとなる花束を探しても、果たして良い物が見つかるかどうか…かなり微妙だ。

「と、とにかく、今日の仕事は大体終わってますし。
急ぎの物はありませんから、ルートヴィッヒさんは帰られても大丈夫ですよ。
リヒテンさん、もしかしたら、ルートヴィッヒさんからのバレンタイン・ブリューメン(ドイツ語で花束)を待っているかもしれませんよ!」
部下は必死でドイツを慰めた。

「…………すまない。
今日は早めに帰らせてもらう」
ドイツは暫くの間、何やら考え込んでいたが、部下の厚意に甘え、早々と帰り支度を始めた。

「急ぎの仕事が入った際は、ギルベルト(=プロイセン)さんに頼みますから、ご安心を」

「本当にすまない。助かる。では……」
ドイツは早足で仕事場を後にした。

「良いバレンタインデーを!」
部下は書類整理をしながら、ドイツを見送った。