狂い行進曲
ライバル
「臨也…手前ぇ…」
「ははははっは!」
いつもの一幕。
天敵である平和島静雄との鬼ごっこ。
だが、今日だけは違っていた。
「臨也さーん!」
「!?ね、姉さん?」
「臨也さんたら駄目ですよーお弁当忘れちゃ」
可愛いアップリケの施された袋を掲げた帝人は長い髪を靡かせながら、
「はい」
「…ありがとう」
「じゃあ、僕は教室に戻るね?」
笑顔でお弁当を渡す義務を終えた帝人は臨也の頭を撫で、自販機を手に呆然とする静雄に視線を向ける。
「うわー!凄い!」
「はぁ?」
「君、1年の平和島くんだよね?」
「そ、そうっす」
「僕は3年に折原帝人です」
「折原?」
「うん、いつも弟の臨也がお世話になってます」
「………」
帝人の笑顔にドキドキしたが『折原』の姓に静雄は臨也を睨む。
「でも、良かったー臨也さん学校での話とかそんなにしないからイジメられているのかと心配しちゃった」