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どうして　殺したの


随分前から知っている、初めて見た顔が僕に問い掛ける。


どうして　殺したの
「君を殺すつもりはなかった…」
どうして　殺したの
「ネヴァジスタだと、思って…」
どうして　殺したの
「部屋を交換していたなんて…」
どうして
どうして
……


不意に見慣れない天井が視界に入り、しばらくして、それが夢だったと気付く。
べっとりとした不快な汗が全身を包んでいた。酷く喉が渇いている。
僕はゆっくりと身体を起こすとベッドを抜け、クローゼットの扉を開いた。

『間違って　殺したんだ？』
ゆらりと揺れながら、清史郎が言う。
「防ぎようがなかった。」
『仕方がなければ　殺していいの？』
「……」
『君の友人も　そうやって　仕方なく殺されたのかもしれないね』
「それは、違ッ…」
『だけど　僕は殺されたよ　君に』
酷く恐ろしい顔が、僕を見つめていた。
その視線を振り切るように、ハンガーに掛かっている服を掴むと、僕は乱暴にクローゼットを閉じた。