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贖罪

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バスに乗り込んですぐ、彼の姿を見つけた。この二年間、忘れたこともない、その忌々しい姿を。
変装でもされていたら厄介だと思っていたが、彼もまさか二度目の参加者が現れるとは予想していなかったのだろう。無防備に【ネヴァジスタ】の姿を晒したまま、一参加者を演じている。
すぐに片が付く。
そう考えた僕に、どこか油断が生じたのは事実だ。
それがネヴァジスタの策略だったのかどうか解らない。解りたくもない。
そうして、僕は復讐の刃を振り下ろしてしまった。
僕と同じで、善良ならざる、ただの知人に。


訪れるはずだった福音を告げる朝が僕に来ることはなく、代わりに与えられたのは罪悪と焦燥だった。
落ち着くために、いつものようにドラッグを飲み下した。
けれど落ち着くどころか、逆に清史郎の幻影に苛まれ続けた。
コート掛けだったものが、古い柱時計が、階段の手摺のオブジェが、清史郎の姿で僕に話しかける。
どうして…どうして…

…どうして…?
それは、ネヴァジスタがこの世に存在しているからだ。

作品名:贖罪 作家名:akr