ぐらにる 流れ 遠征3
俺は躊躇わない。あの時間は、『気晴らし』という名の夢だから、現実のものではない。愛していると囁く彼の息の根を止めたら、俺は安堵するだろう。
「あんたが、そう言うなら、撃て。」
刹那には判らないだろうが、肯定はしてくれた。そのうち、その意味がわかるように刹那も成長するだろう。
最後まで知られずにいることのほうが重要だと、俺は思っている。知られたら、彼は空しか見なくなるだろう。
だから、息の根を止めて、それから謝るつもりだ。
・・・・愛してるから殺したんだ。・・・・・
知らないままに、愛している俺に殺されていく彼は幸せだ。
俺には、そうするしか、彼の気持ちに応える術はない。
作品名:ぐらにる 流れ 遠征3 作家名:篠義