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【ヘタリア/独普】 (略)おれさまにっき3 【サンプル】

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「自主練習に切り替えだ。各自、このメニューをこなすように」
「ヴェ~……」
「はい」
ドイツから手渡された紙に二人の視線が落ちる。ふにゃ、と両者の目元が緩んだのを目ざとく見つけて、プロイセンはイタリアの手の中にある紙を覗き込んだ。
プスス、と思わず声が漏れてしまった。
「超可愛い字」
「う、上手く書けないんだ!」
「わぁってるって」
ぼふん!と顔を赤くさせて叫ぶドイツに、ひらひらとプロイセンは手を振る。わかっている。わかっているけれど、それが可愛くてしょうがない。
つたない字で書かれたその内容はともかく、その字面を目にして嫌がっていたイタリアさえも笑顔だった。
俺ももちろんやるからな、と付け加えたドイツに、日本は心配そうに眉を寄せた。
「大丈夫ですか」
「あぁ。問題ない。むしろ自主訓練をしない方が問題大ありだ」
「ヴェー」
やだよう、と口にするイタリアを無言で睨むドイツだが、可愛さのほうが上回って迫力がない。
それでもなんとか使用と、ドイツは小さな身体を精一杯伸ばしてイタリアと日本を見上げた。
「日頃の訓練の積み重ねがいざというとき活きてくるんだ。毎日続けて習慣にすることで、いつ何時でも「あーほら、説教始まる前に帰った方が良いぜ」
「あ、兄貴!まだ話が……」
「はーい。じゃあね、ドイツ、プロイセン!」
「早く元に戻ると良いですね」
「あぁ」
にかりと笑ってプロイセンはドイツの言葉をさえぎりながらその小さな身体を抱き上げる。暴れる小さな身体をそのまま肩車して、ほっとした様子のイタリアと日本に手を振った。
説教を始めるといる終わるかわからないのは、二人とも良く知っているらしい。くすりと笑って、日本は心配そうに顔を上げた。
「イギリスさんの所に……行かれますか?」
「いや、いい。余計悪くなっても……」
ドイツの言葉を受けて、日本もイタリアもほっこりと笑った。
「ふふ。わかりました。では私たちはこれで」
「あぁ」
「またな!」
勢い良く手を振るイタリアと、頭を下げた日本を見えなくなるまで二人で見送る。二つの影が遠くに消え、玄関先で大きく手を振っていたその手をプロイセンはゆっくりと下ろした。
あきらめた様子のドイツは、ぐったりとプロイセンに身体を預けていた。
心地よい重みに、プロイセンの頬が緩んでいく。それはどことなく、懐かしい重みだった。
玄関を閉め、プロイセンはひょいとドイツを肩から下ろす。
そのまま、最初にそうしたようにぎゅぎゅっ!と抱きしめた。
「に、兄さん!!」
「ほんと可愛いぜ!ヴェストマジ可愛い!!」
撫で心地最高!さわり心地最高!抱き心地最高!ヴェストマジ最高!と連呼しては腕に力を込める。幼児特有の温かさに思わず口から緩やかな吐息が吐き出される。
いつもと違うが懐かしい感覚。いつもと違うが懐かしい温もり。
こっちのヴェストもやっぱり最高だ!と無抵抗のドイツを抱き上げた。
普段なら絶対無理だが、今回ばかりは軽々と持ち上げられる。急に浮いてかびくりと身体を強張らせるドイツにプロイセンはにかっ、と笑った。

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