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普(あまね)
普(あまね)
novelistID. 25086
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The first quarrel

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「俺が悪かったよ、俺のこと好きじゃなくてもいいから一緒にいて」
泣きそうな声。くるりと身体を回され、臨也さんの方に向き直る形になる。すると慈しむように頭の包帯を撫でられた。
「俺のせいで怪我したんだよね、ごめん。助けに行けなくてごめん――」
正面から抱きしめられて、どうしていいかわからなくなる。
「好きだよ、帝人くん。お願いだから俺の傍にいてよ」
その言葉にそろそろと背中に腕を回す。今度は拒まれなかったことに安心して、抱きしめた。
「はい、傍にいます」
そう言うとばっと引きはがされて
「な、なにもう一回!」
「臨也さんの傍にいます」
僕がそう言うと臨也さんは固まる。動き出すのを待っていたら、がしっと肩を掴まれて
「いいの……?」
と、凄い形相で聞かれた。それに頷くと再び抱きしめられる。今度は少し強く。
「良かった……!今度は俺が守るから」
「はい……お願いします」


「ところでどうして怒ってたんですか?」
「へっ?あー……俺のことを好きになればいいのに、って思ってイライラしてたんだよね。疲れてたのもあって」
「誰がですか?」
「え?そりゃ…帝人くん、が」
「僕が臨也さんを好きになればいいと?」
「う、うん……あっ、でも今は思ってないから!傍にいてくれるだけで充分だから!」
「――やだなぁ臨也さん。僕、もう貴方のこと好きですよ?」
「……え?恋愛的な意味で、だよ?」
「はい」
「――え?」
カチン、と固まった臨也さんを見て不思議に思った。
「あれ?言ってませんでしたっけ?」
「言ってないよ!じゃあなに?俺は一人で勘違いして絡まって帝人くんは怪我したの?」
「だから話が噛み合わなかったんですねー」
わなわなとショックを受けている臨也さんに声を掛ける。
「そんなに不安になるくらいなら聞けば良かったじゃないですか」
「聞いて好きじゃないって言われたら立ち直れない……」
「そうですか。でも、安心しました」
「へ?」
「僕のこと、遊びじゃなかったんですね」
「え?」
「臨也さんはいつか僕のことを捨てるんだろうと思ってまし「何それっ」
僕の言葉に被せるように反論した臨也さんは信じられない、という顔をして
「帝人くん俺のことそういう風に思ってたの!?」
「うーん……ちょっと、は…」
「ちゃんと帝人くんのこと好きだよ。居もしない架空の相手に嫉妬しちゃうくらいには」
眉を潜めて言う臨也さんに、僕は微笑む。
「はい、今回のおかげでわかりました。僕も好きですよ、臨也さん」




-END-
作品名:The first quarrel 作家名:普(あまね)