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普(あまね)
普(あまね)
novelistID. 25086
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The first quarrel

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目を開けると、そこはあの暗い場所ではなかった。どうやらベッドに寝かされているようだ。
「こ…こは……?」
出した声が掠れていて驚いた。
『帝人、大丈夫か?』
目の前に差し出されたPDAに頷く。起き上がろうとしたら止められた。なんか……全身が痛い?
『意識を失う前の記憶はあるか?』
そう言われて記憶を辿る。――ああ、僕、殴られたんだ。
再び頷く。するとセルティさんはほっとしたようだ。
『殴られた場所はまだ痛いか?一応新羅が手当てしていたが』
「少し痛いですが、大丈夫です」
『そうか。その、帝人。言いにくいんだが…臨也となんかあったか?』
「……喧嘩しました」
『そう、か』
「多分、僕が悪いんです」
『そんなことはないと思う』
迷った末にそう書かれた言葉を見て、僕は微笑んだ。
「ありがとうございます」


「臨也?僕だけど――…」
「うん、帝人くんのことで」
「その様子だと、臨也が企んだわけじゃなさそうだね」
「帝人くん、襲われたんだよ。おそらく《折原臨也》を恨む人達じゃないかな?」
「ねぇ、臨也」
「いつもはこんなこと言わないけれど、帝人くんはセルティのお気に入りの子なんだ。それに僕も好きだしね」
「帝人くんに何かあったら僕だって今まで通り、黙ってるつもりはないよ――?覚えておいてね」
「うん、じゃあね。それだけだから」
電話を切る。まあこれで、二人の喧嘩は終息がつくだろう。本当、臨也も素直じゃないよねえ。
帝人くんから詳細を聞いてみたら、明らか臨也の嫉妬じゃないか。まあ、それに気づかない帝人くんも帝人くんなんだけどね。


「お世話になりました」
あれから一日だけ泊まらせて貰った。今日は湿布や痛み止め、包帯などを貰って帰ることにする。
「無理はしないこと。頭を殴られてるから、何か異変があったらセルティに連絡してね」
「はい。ありがとうございました」
頭を下げて家へと歩き出す。そういえば学校はどうなってるんだろう。携帯を見てみると、正臣からの連絡がたくさんあった。勿論メールも。とりあえず電話しようと思い、ボタンを押そうとしたその時――

後ろから抱きしめられた。
腰に回されている黒い腕に、手首にあるファー。臨也さんだ。
僕は固まってしまって、唇は何かを紡ごうとするけれど震えるばかりで言葉は出ない。
「ごめんね、帝人くん」
首に顔が埋められているから、必然的に耳元で謝られていることになる。
その声に僕は、涙が出そうになった。

作品名:The first quarrel 作家名:普(あまね)