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【チカダテ】無題

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リカーショップでの受け売りだろう言を告げ、元親がボトルをテーブルに置いた。そしてふたり揃って「いただきます」と静かに言い、フォークを手にする。
政宗は皿の上でフォークにパスタをくるくると巻き付けながら、そっと対峙する元親の様子を伺った。ぐるぐるとフォークに絡めたパスタをばくりと齧り付く。もぐもぐと咀嚼する顔が、にわかに明るさを増す。
「うンめ~、ベーコンの塩気が利いててキャベツが甘くて、なにこれ、クリーム…じゃないよな?クリームチーズ?」
賛辞を呈しながら直ぐに次の一口を頬張る元親に、政宗は表情にはせずしかし安堵して己もフォークを口に運んだ。
「ん、やっぱクリームチーズだな。でもなんか…まろやか?」
「あぁ、味噌を少し入れてる」
素っ気なさを装って教えてやると、元親はなるほどと頷きながらパスタを頬張る。
「これは?タコとジャガイモ?」
「Ya、ガーリックソテー、でも明日も仕事あるし、ガーリックは少し控えめにしてみた。あとソッチは、ブロッコリーの塩昆布和えな」
政宗の説明を聞きながら元親はワインを含んでいる。以前に旅行をした折に色違いで購入した切り子は、焼酎を飲むにも日本酒を飲むにも重宝している。元親は葡萄(えび)色のそれにワインを注ぎ足し、わずか減っている政宗のグラスにボトルを向けた。政宗はそれをやんわり手で制する。
「美味いメシに美味い酒、それを一緒に楽しめるなんざァ幸せ者だぜ、俺ぁよ」
にんまり、と元親が至福の笑みを湛えた容顔を向けて寄越す。政宗はわずか眉宇を寄せると、
「Obviously.」
小さく呟いて俯いた。


元親が買ってきた、それぞれ異なる種類の4つのケーキを前に、政宗が至極真剣に悩むのは、また別のお話。





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レシピサイトを見てると、お料理得意なまーくん妄想がむくむくと、ですね。うん。
春キャベツとベーコンのパスタも、タコとジャガイモのガーリックソテーも、ブロッコリーの和え物も、某レシピサイトを参考にさせて頂きました。て言うか、何時も自分が助けてもらってます、レシピサイト様に(苦笑)
因みに、パスタが塩系だった場合は具材一緒で味付けがアンチョビーになります。アンチョビー好き・笑。

お付き合い有難うございました。
作品名:【チカダテ】無題 作家名:久我直樹