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六年生でし・も・ね・た!

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「・・・本能が服を着て歩いているような(先輩みたいな)教師がいたら堪りませんからね」
きり丸がぼやくと、一発殴られた。
「それでどうなの?」
 伊作までもが、興味深々といった具合できり丸の顔を覗きこんでくる。きり丸は困ったように視線を逸らし、口早に言った。
「別にどうとも無いですよ。土井先生とは相変らず親子みたいな関係だし、団蔵とは単なる友達ですから」
「ふーん。安堵と情によって生まれる恋と、刺激と新鮮さを与えてくれる恋。何とも悩みどころだな?え?青春少年」
 仙蔵は何やら一人で楽しそうである。
「そういう時、どちらが本物の恋か見分ける方法を教えてやろうか・・・?」
 きり丸は、思わずこくりと咽喉を鳴らした。
「それは・・・」
「それは?」
「一度寝てみる事だな。しっくりきた方が本当の恋だ」
 きり丸はほんの少し、ほんの少うし、期待をしてしまった自分を責めた。そうだよな、この人が言う事だもんな・・・。
「まぁそのうち、答えは出るさ」
 しょげ返ったきり丸を、小平太は励ました。
「突っ走っていればそのうち答えは出る!安心しろ、私はこれからも何も考えずに突っ走っていくぞ!」
「やめて下さい。七松先輩は少しは後ろを振り返って下さい。滝夜叉丸先輩と中在家先輩双方に迷惑かけてる事気付いて下さい!」
 そうして不毛(と、きり丸は気付いていた)な問答を繰り返していると、隣の部屋からどたんばたんと大きな物音が聞こえた。仙蔵はそちらを見やり、舌打ちをする。
「騒がしいな・・・あっちは一体何を話しているのやら」
「見に行こうか!どんな会話をしてるのか興味があるし」
「そうだな、そうしよう」
 仙蔵を先頭に、伊作、小平太、きり丸の順で隣のろ組の部屋へと向かう。
「おい、遊びに来てやったぞ」
 障子を開けた刹那、四人は目を疑った。半裸になり、両腕を留三郎に、両足を文次郎にがっちりと押さえつけられた団蔵が、涙目で自分の下半身を死守しているという地獄絵図が目の前で繰り広げられていたのだ。それを傍観し、いつもの無表情を浮かべている長次の姿が何とも言えない。
「文次郎・・・・貴様ぁああああああ!」
「ち、違うんだ仙蔵、これはっ、違くてだな、団蔵のナニが使い物になるかどうかチェックを・・・」
「何がチェックだぁあああ!そこに直れ!私も交ぜんかぁあああ!」
「・・・留さん・・・さいってい」
「え?伊作?伊作ちゃん?ちょっと、何処行くのぉおおおおお?!」
「よぉ長次!これからちょっとやらない?なんか俺、今の団蔵見て勃ってきた!」
「・・・分かった」
「「・・・・」」
 本当の地獄絵図と化した部屋の中を見ながら、団蔵ときり丸は二人して呟く。
「俺達、元の姿に戻れんのかなぁ・・・・」
「さぁ・・・」
 饗宴は、朝まで続いたそうな。