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六年生でし・も・ね・た!

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「んな―?!そんな訳ないだろうが!」
「じゃあ良いじゃないか」
 長次も無言で頷く。二人の腹はどうやら決まっているようだ。留三郎は大仰な溜息を吐いて、また腰を落とした。
「しょうがない・・・で、一体何から話せばいいんだ?」
「学園長先生から、これを預かってきました」
 団蔵はいそいそと巻物を取り出した。それを丁寧に三人の前で広げて見せる。
「なになに・・・その①、相手の一番可愛いと思うところを述べよ・・・・その②・・・何だこれ、その⑧まであるじゃねぇか・・・!」
(完璧にあの野郎楽しんでやがる)
そう三人は確信したのだった。存外、そのびーえるの神とか言う胡散臭い老人も学園長自身ではないだろうか?―大いに有り得る疑惑である。
「それじゃあ・・・まずは潮江先輩からお願いします」
「あ、あぁ・・・仙蔵の可愛いところだろ・・・」
「あいつに可愛いところなんてあるのかよ」
 横から留三郎が茶々を入れる。
「馬鹿野郎。それはお前が表の仙蔵しか見ていないから分からないんだ。夜床に入って俺の下に組み敷かれたあいつの顔を見てみろ。可愛いなんかじゃ言い足りないほどの艶やかさだぞ・・・?そういうお前こそどうなんだ、留三郎。あんな不運男に色気なんぞがあるとは思えないが」
「ふん。お前の目こそ節穴だな。伊作に色気が無いだと?あいつこそ色気の塊だ!俺は伊作がトイレットペーパーを持って歩いているだけで欲情するぞ!」
「それはただの変態じゃないか!」
 いつもの如く、恋人を惚気ながら張り合い始めた二人を見て団蔵は苦笑いをする。あんなに嫌がっておきながら、結構乗り気では無いか。団蔵は、一人押し黙っている長次に話しかけた。
「中在家先輩は、七松先輩の何処が好きなんですか?」
 長次は少し考えた後、
「元気なところ」
 とぼそりと答えた。団蔵はそれを聞いて微笑む。
「確かに、七松先輩はいつも元気ですよね」
 それを耳聡くも聞きつけ、喧嘩をしていたはずの留三郎が長次と団蔵の方を振り返った。
「元気と言えば元気だが・・・長次、お前あいつの体力によくついていけるな。何回戦まで行った事あるんだ?」
「・・・九」
「きゅう?!」
 化けもんだなおい、と留三郎は愕然として言った。
「伊作はそういう事に関してはあまり欲が無さそうだからな。俺と仙蔵は最高六までやった事があるぞ?どうだ恐れ入ったか!はっはっはっはっは~!」
 話はどうしても下劣な方へと逸れて行ってしまうようだ。別にそこまで赤裸々に話さなくても良いんだけれど・・・と団蔵は苦笑する。それを見て、文次郎が意地悪そうな顔をして団蔵に近付いてきた。
「お前はどうなんだ?団蔵?ん?きり丸と良い仲なのは噂で聞いてるんだぞ」
「いっ、良い仲だなんて」
 ぶるんぶるんと団蔵は首を振った。
「まだ告白もしてませんよ!」
「でも俺の見たところでは、きり丸もそう団蔵の事を悪く思っている訳でも無さそうだがなぁ」
「・・・そう思う」
 きり丸が所属する委員会の長である長次まで頷く。
「どうだ?この機会に告白してみては?」
「そ、そんな滅相も無いですよ!」
 団蔵は文次郎に追い詰められ、後ずさった。
「どうしてだ?それに折角身体が大きくなったんだ。そのままあわよくばと言う事も・・・閨房術は知識だけなら授業でやっただろう?」
「いや、やりましたけど、でも!」
「そうか!」
 ぽん、と留三郎が手を打った。
「いきなり大人になったから、まだナニの使い方が分かってないんじゃないか?」
「うーん。それも大いに有り得るな」
 文次郎はしたり顔で同調した。この二人の息が合うなど、不吉な事この上ない。
「よし団蔵、見せろ」
「ひ、ひぇええええええええええええええ!!!!!!!」
 三人の追いかけっこが始まった。


(伊作、小平太、仙蔵グループ)
「・・・なるほどな。事情は分かった。このグループ分けは、―学園長がどういう手段を使って調べたのか知りたくもないが―攻めと受けで分かれさせられたという事だな」
「なに仙蔵・・・その攻めと受けって・・・」
 伊作の言葉を無視し、仙蔵は続ける。
「―それで、私達はこの巻物の通りに恋仲との組んず解れつの痴態を語れば良いと」
「まぁ組んず解れつでなくとも良いですけど・・・」
 きり丸が眉を顰めて言う。
「何を言う!恋仲を語るとは、つまりは閨の生活を語るという事に通じたり!夜の生活無しに恋の酔狂などは語れるまいよ」
「そうだそうだ!」
 無責任に、小平太も乗っかる。
「んな無茶苦茶な・・・」
 きり丸は表では困惑しきったような態度を取りつつも、心中で安堵の息を漏らしていた。予想以上に先輩達が乗り気を出してくれて良かったというものだ。これで断られたら、きり丸と団蔵はどうなっていたか分からない。きり丸は隣の部屋とを隔てる壁を見やった。団蔵の方は上手くやっているのだろうか・・・。あいつはこういう点、不器用なところがあるから心配だ。
「―それより小平太、前々から聞きたかったんだが、お前滝夜叉丸と出来てるのか?」
「ああ」
 いつもと変わらぬ、さっぱりとした口調で小平太は肯定した。
「え?長次とは?」
 伊作が驚いたように尋ねる。
「長次とも出来てるぞ」
 仙蔵はほぅと感嘆の声を挙げる。(ここは感嘆の声を挙げるところなのか、きり丸は判断をしかねる)
「つまりお前はあれか、滝夜叉丸との時はナニをお邪魔する側で、長次との時はお邪魔される側という事か。なかなかやるな」
「まぁそれ程でも」
 威張る小平太。きり丸はただただ絶句するしか無い。
「それで良い訳?!長次は何も言わないの?!」
 伊作が悲鳴にも似た声を挙げるが、小平太はあっけらかんとしていた。
「何も言わないぞ。あいつもそれで良いと思ってるんじゃないのか」
「―伊作、一人の男に操を立てるなど古いぞ。閨事というのは、もっと自由で開放的でなくてはな。私なんて気分が高じると誰とでも寝てしまう」
「・・・文次郎に同情するよ」
 仙蔵は不服そうに伊作を見た。
「お前はどうなんだ、伊作。留三郎一筋で厭きる事はないのか?あいつの閨事は単調でどうにも面白味に欠けそうな気がするのだが・・・」
「そんな」
 伊作はぱっと顔を赤らめた。
「そんな事ないよ・・・。留さんは優しいよ、凄く・・・」
「ふん、バカップルめ。勝手にいつまでもやっていろ。―長次はどうなんだ、小平太。お前が組み敷かれるところ同様、あいつが組み敷くところなど私には想像も付かないのだが・・・」
「うーん。普通じゃないか?ただ、私が滝夜叉丸にする時みたいに乱暴では無いな。優しいって程でも無いが、上手く私の気分に合わせてそこら辺を変えているような気がする」
「一番のテクニシャンは長次という訳だな」
 仙蔵はしきりに頷いて、ちらりときり丸に視線を移した。きり丸はぎくりとする。
「お前はどうなんだ?きり丸。土井先生か団蔵、どちらかと進展はあったのか?」
「はぁ?何でその二人が出てくるんすか」
「見ていれば分かるだろう。・・・しかし、団蔵はともかく土井先生がお前に自分から何かをしてくるという事は無いだろうな。あれはどうにも堅過ぎる。理性が服を着て歩いているような男だ」