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ネウロ関係ショートショートショート

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お腹空いた。宿題と向き合っていた私がふとそう思ったときに、ネウロがじゅるりと涎を吸い込む音がした。汚いなぁ。目を上げる。ネウロはニュース番組を見ていた。一定のテンションで各地のニュースを読み上げるアナウンサーも、まさか自分を見て涎をたらすような奴がいるとは思うまい。
「美味しそうな謎でもあったの?」
「いや、あの程度のものならすぐに警察が解いてしまうだろう」
 ネウロは残念そうにテレビから目を離した。私も宿題を再開した。
 何から何まで人間を超越していて常に私を見下しているこの魔人を理解することなんかできないと思ってた。分かち合えるようなものは何もないんだと、私は遥か頭上のあいつを見上げるしかないんだと、思ってた。
 でも、そういう訳でもなかったらしい。私たちは唯ひとつ、食欲という果てのない欲望を共有している。
「何をしているのだヤコよ」
 声が、不自然なほど近い。もう滅多なことじゃ驚かないよ、と思いながら振り返る。ネウロは私が座っている椅子の背もたれで逆立ちしていた。顔が、異常なほど、近い。
「お腹空いてるならさ、この数式の謎をちゃちゃっと解いちゃってくれない?」
「その程度の文字の羅列が我輩の空腹を満たすと本気で思っているのかこのオケラ」
 ちょっとむっとして、キスでもすれば少しは驚かせるかなと考えたけど、やめておいた。たぶんこちらが痛い目をみるだけだ。