[ガリプロ]日の射す丘で
三歩ばかり進んだところで、こらえきれずに肩を震わせて笑い出すと、鈴の音のように輝かしい笑い声を残して屋敷へと引っ込んで行った。
「・・・これは、あたしが見つけたから、あたしのもんだからな」
プロイセンがブローチを握り締める。
「しょうがねえから、譲ってやるよ。お茶の支度、手伝えよ」
プロイセンの手を引っ張って丘を下り、屋敷へ向かう。
日の射す丘は案外暑くて、耳も首も背中も汗ばむ陽気だったので、さっさと決着をつけて屋敷に引っ込むのが得策だろうと俺は思ったのだ。
今日の丘は隣のプロイセンも真っ赤になるほどの日差しだったのだから、仕方ない。
***fin***
作品名:[ガリプロ]日の射す丘で 作家名:佐野田鳴海