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黒禍転じて悪夢と成す___テスト投稿

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 隣からうめき声がかすかに聞こえた気がして、彼女は目を覚ました。
窓の外を見れば、濃紺の闇が広がっている。
・・・まだ、夜か?
そう思ってサイドテーブルの上の置き時計を見た。ぼんやりとした視界が徐々に覚醒し、
はっきりと文字盤が浮かび上がってくる。
・・・四時半か。
後二時間したら本来の起床時間なんだがなと彼女は思った。また寝ようかと思ったが、
二度寝などしたら、絶対に寝坊する。それだけは避けたい。
________仕方ないな。
そう呟いて彼女は布団から出ようと身体を起こそうとした。まだ読み終えていない資料があるのでそれを読んでしまおうと思った。たしか書斎に置きっぱなしだ。

「・・・うう」
 
 またかすかなうめき声を聞いた。隣では黒髪に特徴的な白髪の男が眠っている。起きている時は悪霊だの傾国の男だの梟雄だの散々に言われているが、こうして眠っていればただの無力な人間に見えた。
・・・疲れてんだな。
 彼女はそう結論づけようとした。昨日帰って来たのはたしか12時頃、疲労困憊しており支えてやらねば立てないほどだった。なんとかジャケットは脱がせたが、ワイシャツとスラックスまでは無理だったので、そのままベッドに寝かせた。明日、彼が着替えたらクリーニング屋に持って行かねばなるまい。
 松永久秀という男は他人の前で自分の弱さは滅多に見せない。しかし、彼女の前ではよく、今日は疲れたよ、とか頭が痛い、といった言葉を口にする。そうして本当に疲れた顔をする。
初めてその表情を見た時、ああ彼も人間だなと思って、少しホッとしたことを覚えている。
しかし、眠っているときにうめくとはよっぽど疲れているのだろう。明日は土曜だ。書きかけている論文があるしいくつか用事もあるが、なに、些細な事だ。リラックスできるハーブティーでも淹れてじっくり話をしよう。そう、そうしよう。
 彼女はそう考えて、彼を起こさない様にそっと身体をベッドから起こそうとしたところで
動きを止めた。