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かわる

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 きり丸が何かを言おうとする前に、団蔵は彼が一番敏感であろう部分に手を触れた。途端に彼は大人しくなる。もう止まらなかった、し止める気も無かった。今まで自分の内に堪っていたあらゆる彼に対する感情を吐き出すように、団蔵はきり丸を犯した。行為をしながら団蔵は、きり丸の嬌声の間に漏れる微かな嗚咽を聞いた。

*****

 きり丸は、ぼんやりとする頭で団蔵を見やった。先程から、団蔵は額を畳に擦り付けんばかりの勢いできり丸に向かって土下座をし続けている。下半身に感じる鈍い痛みは、明日以降も自分を苦しめる事になるのだろうと、何となくきり丸は思った。
「あの、本当に、すいません・・・」
 何遍も繰り返される謝罪の言葉に、きり丸は溜息を吐く。
「謝るくらいならやるなって・・・」
 不思議と、怒りの感情は生まれてこなかった。事を終えてしまえば、悲しみも苦しみも無い。かえって、自分の心がいつもよりも平静を保っている事にきり丸自身驚いていた。団蔵がやった事は許せない。だけれども、きり丸を犯す彼の姿に土井先生に夜這いした自分の姿を重ねたのも事実だった。
「お前・・・俺の事好きだったんだな・・・」
「まぁ、ね」
「―契約、しろ」
 顔を上げた団蔵と目を合わせないように、きり丸はそっぽを向きながら言う。
「俺はどうやらお前に今まで酷い事をしてたみたいだ。それは謝る。だけど、だからと言ってお前の行為を許す訳にもいかない。・・・だから、お互いにこの事は無かった事にしよう。俺は明日からもお前と今まで通り接する。お前も明日から俺と今まで通り接する。そうすれば―」
「嫌だ」
 きっぱりと、団蔵は言い切った。きり丸は驚いて団蔵を見やる。
「嫌だって・・・お前、俺が折角一番安穏な解決策を出してやってんのに」
「だってさ、それって俺のお前に対する気持ちを無かった事にするって事だろう?俺はきり丸の事が好きだ。お前と今まで通り接する事なんか出来なくても構わない。それを覚悟の上で俺はお前を抱いたんだ。自分の気持ちに嘘なんか付きたくない」
「・・・ガキ」
「当たり前だろ。俺はまだまだ子供だし、これから先もきっと大人びた振る舞いが身に付くようになるとは思えないんだからさ」
 きり丸は瞼を閉じた。土井先生に夜這いしたあの夜、自分と彼のした契約を思い出し、きり丸は苦笑する。
「・・・だよな。団蔵にこんな取り引持ち出した俺が馬鹿だったよな」
 団蔵の凛とした視線を受け止め、きり丸も彼をじっと見つめた。
「俺は多分これから、お前と今まで通りの付き合い方は出来なくなるだろうと思う。こんな事された後だし、流石に俺も仏じゃないからな。―それで、本当に良いんだな?」
「あぁ。俺は絶対にお前とこれまでみたいな関係を築き直して見せるから」
 そう言ってからりと笑った団蔵はとても男らしく、きり丸は目を見張った。彼にここまで断言させる程の自信は何処からくるのだろうか。
「じゃ、俺行くから」
 立ち上がった団蔵の背中を追いながら、きり丸は、あぁそうかと思う。彼の言葉はそのままストレートに受け取るに限る。つまり団蔵は、本当にきり丸との関係を修復する為だけに明日から尽力するのだろう。きり丸の気持ちが動くまで、何度でも何度でもやるのだろう。それは自信だとかそういう事とは無関係に。
 団蔵がいなくなった部屋で、きり丸は着物の衿を整えながら団蔵が残していった湯呑を見やった。
「団蔵は凄いな。俺もあんなふうに出来れば良かったんだろうけど」
 彼との関係は、恐らくこの一件から変わってしまう。自分は多分、団蔵の事を好きになるのだろう―聡い彼は直感した。だけれども、けれど・・・それを叶えるかどうかというのはまた別の話だ。
 きり丸は湯呑を手に取った。中に入ったお茶は、もうすっかり冷め切っていた。
作品名:かわる 作家名:ずまい